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2009年11月4日水曜日

ものすごい勢いでしぼむ国、日本

上のグラフはペンシルバニア大学ウォートン・スクールの教授、ジェレミー・シーゲルが人口動態のインパクトについて語るとき使用するスライドです。

そこにあるのは2050年の世界の姿です。

僕はこのプレゼンを最初に見たとき、「えっ?そんな馬鹿な」と俄かには信じられなかったし、今でも眉に唾をつけながら取り扱うようにしています。

僕がこの手の分析を信用しない第一の理由は、先ず2050年というずいぶん先の話であり、そんな未来は誰にも予見できっこないと思うからです。

つぎにこの分析はPPP(購買力平価)に基づいたGDPの数字を使っています。購買力平価の決め方には恣意的な要素が入りやすいので「誰のバージョンか?」によって数字はいくらでも変わってきます。

ただここ数日の世界の動きというものをじっくりと考えてみた場合、(どうやら日本だけが違うぞ)と思わずには居られないのです。

たとえばひとつ下のエントリーで書いたインドのゴールドの購入は明らかにインフレ・プレイです。(時代が時代なら、、、、日銀にこのブロックを買い取ってもらっていたかも知れませんね。そう思うと口惜しくて口惜しくてアタマに血が上ります。)

またそのもうひとつ下のウォーレン・バフェットのバーリントン・ノーザンの買収は究極的には石炭プレイです。なぜならバーリントン・ノーザン鉄道が運んでいるのは主に石炭や穀物だからです。すると、こちらもインフレ・プレイというかボリューム・プレイなのです。

「質」ではなく「量」の時代、、、これは何もコモディティーに限った事ではありません。

例えばインテルの「アトム」とかマーベルの「アーマダ」とか、アーム・ホールディングスとかiポッドはすべてボリュームのストーリーです。

つまり世界の中で「高品質さえ保てば、何とかなる」とか寝言を言っているのは日本人だけなのです。現実としては日本はボリューム成長のストーリーに完全に乗り遅れているのです。それは例えば家電や携帯電話のグローバル・シェアでサムスンなどに日本勢が完敗していることを見れば明白です。

数日前の『バロンズ』の機関投資家アンケート調査のグラフにもありましたけど、アメリカの機関投資家は将来の心配事としてデフレではなく、インフレを挙げています。

同じアンケートを日本で実施したら、たぶんデフレがトップに来るでしょうね。

で、日本人の過ちは「それは世界的にそうなんだ」とアタマから決めつけている点です。でもひとつ下のゴールドのチャートを見ると僕にはこのチャートはインフレを絶叫しているように思えるのです。

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