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2009年12月3日木曜日

ブラジルにおける「中流」の出現


ブラジルでなぜミドルクラスが増えるかを説明し、そのインパクトを探ります。

2009年11月20日金曜日

ブラジル株ADRに対する1.5%の課税について


ブラジル株ADRに対する1.5%の課税についてのレポートをUPしました。

2009年11月19日木曜日

ADR課税ではパーティーは止められない ブラジル株


ブラジルがADRにも1.5%の取引税を課す!

今日ニューヨークの午後3時頃、ブラジルのマンテガ財務相が「NYで取引されているブラジル株ADRにも1.5%の取引税を課す」と発言しました。
これについては市場参加者の間でチョッと混乱が生じています。
「あれ、2%じゃないの?」
という声が先ず聞かれました。(10月の発表ではブラジル本国では2%の取引税となっています)
それと今回の措置が:
現地(ブラジル)での2% + ADRにはさらに1.5%上乗せ(!)
ではないか?という解釈もあります。
しかしADRに1.5%の課税をするというのはアメリカへの「内政干渉」であり、「そんなこと、出来んの?」とアメリカの投資家はきつねにつままれたような顔をしています。
マンテガ財務相が既に発表されている2%の現地取引税を3.5%程度に引き上げるのではないか?ということはある程度予期されていたので、サプライズではありません。
でも「ADRもやるぞ!」というのは想定外でした。
もちろん、これが本当に実施可能、いや、合法なのかは未だ判然としていません。
続報が入り次第、追加のコメントをします。

PS:新しい情報が無い中での僕の憶測ですが、たぶん今回のコメントは「ブラフ」、つまり口先の脅しに過ぎない気がします。ADRの実務としてブラジル当局が出来ることは普通株をADRへコンヴァージョンするリクエストがスポンサーである信託銀行に出された際に、ブラジルにおいてそれにしっかりと課税することくらいです。

でも投資家や証券会社は「それならコンヴァージョン請求を出さなければ良い」と判断し、ADRがプレミアムになってもアービトラージをやらなければ、それで事は済んでしまうわけ。

その場合、出来高はどんどんBM&FボべスパからNYSEへ引っ越ししてしまい、サンパウロは閑散になるでしょう。

つまり今回の発言は自分でその限界を知りながら苦し紛れに見え透いたウソをついた、、、まあ、そんな感じだと思います。

相場的には明日、たしかに荒れるかも知れないけど、、、僕のドタ感ではひどいことにはならない気がします。逆に悪材料出尽くし、ないしはブラジル中銀&MOFの「無力」が証明され、強気筋が増長するリスクもゼロとは言えません。

いずれにせよ先入観を持たず、どちらへでも動けるよう、臨戦態勢で待つ以外無いですね。

2009年11月13日金曜日

押し目は丁寧に拾う事

マーケットに強気であることの問題点は強気派は「軽薄な奴だ」と見られやすい点です。

ブラジル株式市場は押し目を作っていますが、ここへきてブラジル・レアルの上昇が一服したのは本当に良かったと思います。

銘柄的には相次いで好決算を発表した航空会社のゴール(GOL)タム(TAM)がとりわけ気に入っています。これらの企業は過去数年間、アグレッシブに輸送キャパシティーを増やした関係で2年ほど前に「消化不良」を起こし、業績的に足踏み期に入りました。そこへ世界金融危機が襲ったので追い打ち的に業績が悪化したのです。

しかし最近の操業状態を見ると尻上がりに座席稼働率は向上しています。今後はオペレーティング・レバレッジがキックインすると予想されるので業績は面白いように伸びるでしょう。特にゴールはリオデジャネイロ五輪招致決定直後に大型公募増資を敢行した関係でバランスシートがずいぶんラクになりました。もちろん、公募で買った投資家は皆、利食いになっています。

ブラジルの航空株の相場は若いと思います。

もうひとつブラジルのストーリーを取り上げるならば、最近、超大型のIPOでNYに上場されたサンタンデール・ブラジル(ティッカー:BSBR)。余りに大きなディールだったので公募の水準とほとんど変わらずのあたりをウロウロしています。しかしマーケット全体は底上げしているので出遅れ感が強くなっています。

ブラジルではいずれ最大のバンコ・ド・ブラジルがNYにADRを上場するのではとの観測が流れています。またシティグループのラテンアメリカ・フランチャイズであるバナメックス(メキシコ部分のみか、ラテン全体かは不明)がそろそろIPOのタイムテーブルに乗って来るでしょう。すると投資銀行各社の幹事争いは最高潮を迎える筈です。ビューティー・コンテストに際して自社の腕力を誇示すべく各社がサンタンデール・ブラジルで「相場を作ろうとする」ことは容易に想像できます。上場来高値を上に抜けたら、まっしぐらに飛び乗るつもりです。

2009年10月11日日曜日

ブラジル株チャート集 8


一番目のチャートはガフィーザ(GFA)です。ブラジルの大和ハウスのような存在。大株主は「墓場のダンサー」ことサム・ゼル。
二番目のチャートはつい先日IPOされたばかりのサンタンデール・ブラジル(BSBR)です。公募価格の$13.42を未だ奪還していません。

ブラジル株チャート集 7




一番上のチャートが鉄鉱石のバーレ(VALE)です。鉄鉱石では世界最大手。ちょっと買われ過ぎ。
二番目のチャートはパルプのヴォトランチン(VCP)。アラクルーズのところで説明しましたが、このたびアラクルーズと合併してファイブリアという新会社になります。なおパルプは中国からの引き合いがガンガンに来ています。今後中国はパルプの供給を主にこの企業に依存することになるでしょう。
三番目はビボ(VIV)です。携帯電話大手。長く停滞していた企業ですが、最近、テコ入れがあり、急激に業績見通しが改善しています。


ブラジル株チャート集 6




一番上はタム航空(TAM)です。国際線でナンバー・ワンであり、オリンピックで恩恵を蒙ると思われます。
二番目はテレ・ノルテ・レステ(TNE)です。同社のブランドの名前をとって、単に『オイ(Oi)』と呼ばれることもあります。携帯電話事業、ブロードバンド、固定電話などをやっています。
三番目はティム(TSU)です。同社は携帯電話事業に特化しており、どちらかと言えば他社より所得水準の低い、田舎を中心としたサービス網を持っています。テレコム・イタリア系。


ブラジル株チャート集 5




一番上のチャートは言わずと知れたペトロブラス(PBR)です。今、世界の大手石油会社の中で最も急速に確認埋蔵量を伸ばしている企業。超深海油田の操業実績、ノウハウで世界一。今後20年間の生産量の伸び率もたぶん世界一間違いなし。
二番目のチャートはブラジル・フーズ(PDA)です。昔はペルディゴンという名前でした。しかしライバルのサディア(SDA)が去年、為替取引で大損を出し、ペルディゴンに吸収されたことから、この際、ブラジル・フーズという新会社名で再出発することになったのです。同社は冷凍チキン、冷凍食品などのメーカーです。圧倒的なコスト優位とスケールを誇っており、輸出がガンガンに伸びています。チキンの王様。
三番目のチャートはナショナル・スチール(SID)です。由緒ある製鉄所であり、日本との歴史的なつながりもあります。自社で鉄鉱石を所有しており、この鉄鉱石部門を分離IPOする話もあります。またセメント、発電などのサイドビジネスもやっています。



ブラジル株チャート集 4




一番上は製鉄会社のゲルダウ(GGB)。所謂、「長モノ」と呼ばれる、H型鋼などを主力としています。その意味ではオリンピック関連。「長モノ」の生産能力ではアセロール・ミッタルに次いで世界第2位。また、原料の一部をスクラップに依存しており、鉄鉱石に依存する他社とは差別化されています。アメリカでアメリスチールという会社を買収した関係で、売上高的にはブラジル35%、アメリカ35%となっています。ですから純粋なブラジル・プレイとは言えません。製鉄会社としては珍しいファミリー経営。
二番目のチャートはディスカウント航空会社のゴール(GOL)。卓越した見識と、徹底した効率経営でラテンアメリカの航空業界に旋風を起こした会社ですが、勢い余って一昨年、ブラジルのナショナル・フラッグ・キャリア(=ブラジルの日航に相当)であるヴァリグを買収したあたりから様子がヘンになりました。稼働率の低下、運行上の問題など、様々なチャレンジを克服し、いまようやく業績が上向き始めています。先日、10億ドルを超える大型の公募増資がありました。増資後の株価の足取りはしっかりしています。出遅れ銘柄。
三番目のチャートはイタウウニバンコ(ITUB)です。民間の銀行としてはブラジル最大です。去年、イタウ銀行とウニバンコ銀行が合併して出来た新しい会社。イタウは投資銀行業務もやっています。合併する以前はブラデスコに対して見劣りしていましたが、新会社になってからはイケイケのムードで頑張っています。



ブラジル株チャート集 3




一番上は精糖ならびにバイオエタノールのコーザン(CZZ)。インドの天候不順の材料で7月に相場になりました。今はその急伸の後の調整中。
二番目は電力会社のコペル(ELP)。歴史的に公共株としてはとりわけボラティリティーが高く、トレーディングの対象として「オモチャ」にされる銘柄。
三番目は小型ジェット機のメーカー、エンブラエル(ERJ)。旅客機のビジネスは経営するのが凄く難しいですが、その中にあってしっかり経営されている企業だと思います。



ブラジル株チャート集 2




一番上はブラジル第3位の銀行、ブラデスコ(BBD)です。経営の「質」という面では最高だと思います。またブラジル最大の生命保険の会社でもあります。
二番目は小売チェーンのCBD(CBD)です。このCBDとかひとつ前のエントリーで紹介したアムベブなど、内需関連は最近、ガンガンに相場になっています。少し冷やしたい気がします。
三番目は公共株のセミギ(CIG)です。三角のフラッグを形成しており、上値抵抗線のあたりに来ています。上に抜けると面白いですね。


ブラジル株チャート集 1




日本で買えるブラジル株を紹介します。 (*)
一番上はアムベブ(ABV)、ビールの会社です。有名な『ブラマ』というブランドを持っています。典型的な内需株。リオデジャネイロ五輪が決まったときは消費が伸びた筈。(笑)
なお、以前も紹介しましたがブラジルはキオスクのようなミニサイズのバーにおけるビールの消費が多いです。機関投資家の定番銘柄。チャート的にはRSIがメチャクチャな「買われ過ぎ」になっています。
二番目の銘柄はアラクルーズ(ARA)。去年、為替取引で大穴を開けて、結局8月末でライバルのヴォトランチン(VCP)の傘下に入りました。合併新会社は圧倒的な市場支配力とロー・コストを誇る、ティッシュペーパー向けのパルプの供給者となります。今年中にファイブリアという新しい会社名でブラジルのノボ・メルカドに上場される予定です。
三番目の銘柄はペットボトルの原料などのプラスチックを作るブラスケム(BAK)です。7月末に8ドルくらいのときに紹介しましたが、アッという間に14ドルを超えてきています。スピード違反。RSIは大幅な「買われ過ぎ」を示しています。
(*)=委託取次注文の意味です。


2009年10月10日土曜日

ゴール(ティッカー:GOL)の増資は無事通過 リオデジャネイロ五輪恩恵最右翼銘柄

ブラジルのディスカウント航空会社、ゴール(ティッカー:GOL)の公募増資が値決めになりました。
2455万株が$9.48で売りだされました。現在、場でついている値段は$10.10であり、公募で買った投資家は6.5%の利食いになっています。
これを書いているのはザラバですので、大引けがどうなるかは未だわかりませんが、よほどのことが無い限り、ゴールの株価が今日、水面下に没する危険は去ったと申し上げて良いでしょう。

リオデジャネイロ五輪が決まったとき、僕はゴールの株に言及するのは避けました。なぜなら公募増資が間近に控えていたからです。若し公募でズッコケて、おおきなしこりを残すと、後々まで株価を圧迫します。今回、値決め後に株価が首尾よく上昇したことで、この不確実性は除去されたわけです。

ゴールは米国のサウスウエスト航空のような、シャトル中心の航空会社です。また、ブラジルのナショナル・フラッグ・キャリアであるヴァリグを07年に買収しています。そんなわけで国際線も一部展開しており、オリンピックでは恩恵を蒙ります。

それから別のブラジルの航空会社にタム(ティッカー:TAM)というのもあります。こちらの航空会社の方が国際線のシェアは高いです。タムももちろん、オリンピックで恩恵を蒙る企業ですが、ゴールが公募でズッコケた際のとばっちりを恐れて、今まであまり紹介しませんでした。

タム、ゴール、そのどちらも出動してOKだと思います。

2009年10月5日月曜日

ブラジルの個別株に関するレポート

ブラジル株の中でも代表的なブルーチップである以下の4銘柄の近況に関するレポートをUPしました:

ペトロブラス
バーレ
ブラデスコ
ガフィーザ

リオデジャネイロ五輪のブラジル株式市場に与える影響について

リオデジャネイロ五輪のブラジル株式市場に与える影響についてというレポートをUPしました。

2009年10月3日土曜日

バンコ・サンタンデール・ブラジル 超大型のIPO

土曜日にブラジルのリオデジャネイロが2016年のオリンピック開催地に決定しました。これを受けてブラジル株式市場はラリーしていますが、今週は少し気をつける必要があります。それは70億ドルにものぼる超大型のIPOが値決めされる予定だからです。

バンコ・サンタンデール・ブラジルはブラジルで第4位の商業銀行であり、欧州最大の銀行、サンタンデールの子会社です。

ちょうどタイミング良くオリンピック開催が決まったので、ブラジルに関する投資家の関心は俄かに高まっていますが、その好機を狙いすまして高値で値決めされるリスクが高まっていると言えるでしょう。

【ディールの条件】
ティッカー:BSBR
今回発行株数:5.25億ユニット
初値設定:$12.19から$13.85
普通株対ADR比率: 1:1
幹事:サンタンデール、クレディスイス、BofAメリルリンチ、UBSなど

サンタンデール・ブラジルは過去10年で同国で最も成長した銀行であり、この間に資産規模は6倍になりました。今後もオルガニックな成長を目指しています。また、貸付原資の市場への依存体質を改めるべく、ファンディング構造の改善を目下目指しています。

ブラジル経済は90年代中盤のレアル・プラン導入後、インフレが鎮静化し、その恩恵を蒙ってきました。実質金利はどんどん下がっています。これは銀行にとっては新しい商品をどんどん紹介しやすい環境であると言えます。

サンタンデールのBISレシオは16.7%、ROEは21%、ティア・ワン・キャピタル・レシオは12.6%と、内容的にはピカピカです。また、ブラジル中銀は金融機関に対する監督が極めて厳格であり、アメリカの銀行のようにデリバティブなどの有毒資産がバランスシートに乗っていません。

ブラジルというと「ハイパー・インフレで、借金を返さない国」というイメージが根強く残っていますが、それは完全に過去の事となっています。

目先のブラジル市場の懸念点は春先のビザネット、今回のサンタンデール、そして近くバンコ・ド・ブラジルのADR市場でもIPOが予定されるなど、超大型のディールが相次いでいることです。需給関係は当然、悪化すると思います

リオ 2016年



オリンピック招致のためにブラジルが作ったプロモーション・ビデオ。

リオデジャネイロ・オリンピック決定!


オリンピックが招致出来たからと言って良いことばかりとは限りません。

先ずオリンピックを開催すること自体の採算性に関しては儲からないケースの方が多いという指摘があります。

次に開催国の経済に与える影響も、北京オリンピックの場合ですら、GDP押し上げ効果は「多く見積もって0.5%程度」だったと言われており、その小ささに驚かされます。

さらに開催決定後の株式市場の反応という点でも、過去のオリンピック開催決定とその国の株式市場のパフォーマンスには相関性らしいものは見出せません。
それらを断った上で、今回のブラジルのオリンピック招致成功は、やっぱり大材料だと思います。なぜならこれまでブラジル株に欠けていた、わかりやすい投資テーマが初めて付与されることになったからです。
既にブラジル経済のファンダメンタルズは近年、著しい改善を見ています。それを世界の投資家が「再発見」するだけでも同国の株式市場のバリュエーションが底上げするのではないでしょうか?

2009年8月10日月曜日

中国の資源買い漁りでブラジル企業も恩恵を享受

年初あたりから中国がガンガン資源を買い漁りはじめたわけですが、資源の輸出国であるブラジルがその恩恵を蒙っています。個々の企業のレベルでも経営努力で随分内容の改善が見られるところもあります。