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2009年11月10日火曜日

パーティーは続く

ブラジルの財務相が2%の金融取引税を課すとバクダン発言したので、「あれ、もうパンチボウル下げられちゃったの?」とショボンとしたのも束の間、またぞろパーティーの続きを楽しもうという投資家がブラジル株に殺到しています。バナンキ・サンタがパンチボウルのおかわりを届けてくれたからです。

実は(気にしている人は居ないかもしれないけど)ブラジルは今、決算発表シーズンの真っ最中で、これまでのところ発表された各社の決算は実に手堅い数字で入ってきています。

そこへゆくと「おいおい、大丈夫かよーっ!」と叫びたくなるのが中国株の決算。はっきし言ってポトポト落球する会社が続出。つい先日までインベスターズ・ビジネス・デイリーなどでチヤホヤされていたフキ・インターナショナル(FUQI)とかゾンピン(HOGS)とかからゴソッと「機関」の金が抜けている、、、。

やっぱり企業収益的に安心感があるのはブラジル。それとインド。でも通貨が強すぎるのは心配のタネ。

「あのさア、おじんくさいアドバイスして、いいかな?いろんなお酒ちゃんぽんにしてあおると悪酔いするよ。」

『原資産のクセ、売買のポイント』インヴァスト証券Webセミナーのご案内




インヴァスト証券Webセミナー『原資産のクセ、売買のポイント』は以下の要領で開催されます:

開催日: 11月11日(水)
時間: 夜8時から9時半
アクセス開始: 夜7時50分
参加資格: どなたでもOKです
費用: 無料
定員: 400名
申込方法: リンクを参照してください
講師: 広瀬隆雄
主催: インヴァスト証券

【講師からのメッセージ】
今回のセミナーではNYダウやS&P500、DAX指数など主要な原資産のクセやそれぞれの株価指数ごとの微妙な違い、使い分けの仕方、売買のポイントなどを説明します。また新しく加わった新興国市場(ブラジルETFなど)や不動産市場のETFをベースとしたCFDの解説もします

カルロス・ゴーン インドの『ワールド・エコノミック・フォーラム』でのコメント



インドの自動車輸出が不況にもかかわらずプラスを維持したのは、そのクルマ作りの思想が消費者の手に届く価格設定を最優先し、そのため簡素な設計、身の丈に見合った熟練度を勘案しながらニーズのあるところへ商品をぶつけた結果である。

2009年11月9日月曜日

フキ・インターナショナル(FUQI)第3四半期決算発表


中国のジュエリー卸業、フキ・インターナショナル(FUQI)が第3四半期決算を発表しています:

売上高:1.27億ドル(予1.30億ドル)
EPS: 73¢(予44¢)
第4四半期ガイダンス:
売上高:1.82~1.91億ドル(予1.84億ドル)
EPS: 55~60¢(予60¢)

グロス・マージンが前年同期の11.7%から今期は23.5%へジャンプしています。

なぜベトナム株は急落したのか?

今日ベトナム市場がざらば▼3.7%の急落を演じました。
理由は2つあります。
一つ目は今日、1月から10月までの銀行融資残高が発表され、前年比+33.3%だったという点です。ベトナム政府は銀行融資の成長率を+30%以内に収めたいという意向をかねてから表明しており、年末にかけて融資抑制の指導が出るのではとの懸念が生じました。なお銀行融資の多くは不動産投機や株式市場に直行しています。
二つ目の理由はお米です。今年はインドが干ばつでお米の収穫が激減すると予想され、インド政府は積極的にお米の輸入を画策するとともに輸入米に対して課していた70%の課税を撤廃しました。ベトナムは豊作であり、その意味では輸出を通じて恩恵を蒙りますが、余りにもインドの輸入量が多い場合、市況が高騰することも考えられます。お米の価格の急騰が去年のベトナム市場が来る日も来る日も下げ続けた主因であったことを考えると投資家の不安もむべなるかな。

米失業率10%台乗せは株式にとってプラス ウォール街のトレーダーたちはなぜ喜ぶのか?

アメリカ株に関する新しい記事をUPしました。

「寄付」ボタンが眼にしみる バラク・オバマはここまでやる男だ



Takao --This evening, at 11:15 p.m., the House of Representatives voted to pass their health insurance reform bill. Despite countless attempts over nearly a century, no chamber of Congress has ever before passed comprehensive health reform. This is history.But you and millions of your fellow Organizing for America supporters didn't just witness history tonight -- you helped make it. Each "yes" vote was a brave stand, backed up by countless hours of knocking on doors, outreach in town halls and town squares, millions of signatures, and hundreds of thousands of calls. You stood up. You spoke up. And you were heard.So this is a night to celebrate -- but not to rest. Those who voted for reform deserve our thanks, and the next phase of this fight has already begun.The final Senate bill hasn't even been released yet, but the insurance companies are already pressing hard for a filibuster to bury it. OFA has built a massive neighborhood-by-neighborhood operation to bring people's voices to Congress, and tonight we saw the results. But the coming days will put our efforts to the ultimate test. Winning will require each of us to give everything we can, starting right now.Please donate $5 or whatever you can afford so we can finish this fight.Tonight's vote brought every American closer to the secure, affordable care we need. But it was also a watershed moment in how change is made.Even after last year's election, many insider lobbyists and partisan operatives really thought that the old formula of scare tactics, D.C. back-scratching and special-interest money would still be enough to block any idea they didn't like. Now, they're desperate. Because, tonight, you made it crystal clear: the old rules are changing -- and the people will not be ignored.In the final phases of last year's election, I often reminded folks, "Don't think for a minute that power concedes without a fight," and it's especially true today. But that's okay -- we're not afraid of a fight. And as you continue to prove, when all of us work together, we have what it takes to win.Please donate to OFA's campaign to win this fight and ensure that real health reform reaches my desk by the end of this year:http://my.barackobama.com/page/m/55c1008a/5026a2ab/d4cdeb14/118865d2/1109042150/VEsE/Let's keep making history,President Barack Obama
上のメールは昨夜遅くヘルスケア改革法案が下院を通過した後にオバマ大統領が大統領選挙の際に使った支持者のeメール・リストに載っている全ての有権者に送付したメッセージです。
面倒くさいのでイチイチ訳しませんが、オバマ大統領はこのヘルスケア改革案可決は国民の勝利だとして米国民を讃えるとともに、ヘルスケア業界がその資本力を総動員して最後の抵抗を試みることに対抗すべく、「OFA(Organizing for America)にカンパしてくれ!」と訴えています。
ニュースが出て、国民の関心がチョッと出た隙に、すかさずそれを最大限に利用している、、、
芸の細かい男です。
なお、オバマ大統領は「未だ就任してから、何の成果も出してない」という批判がありますが、昨日の土曜日は八面六臂の大活躍で下院法案をゴールまで押し込みました。これはたいへんな成果です。これで明らかにオバマはクリントンを超えたと言えるでしょう。(なぜならクリントンのヘルスケア改革は全くの不発に終わったから。)
いや、もっと正確に言えば、アメリカでこのような巨大なソーシャル・プログラムの改変は過去に2度しか起きていないのです。一回目は大恐慌時代にできたソーシャル・セキュリティー(社会保障)制度です。これは言わずと知れたフランクリン・ルーズベルトの功績。そして二回目はジョンFケネディーが暗殺されたとき、その遺志を継いだ形でメディケアが通過したときです。
つまり今回のような立法(まだ法案化までは道のりが残されてますが)が成立するのは極めて異例なのです。
アメリカはより沢山の予算を、より沢山の赤字を生みながら、より大きな政府がばら撒いてゆく、、、そういう国になるのです。とりあえず2012年までに100兆円のヘルスケア絡みのお金が現在の配分と違う割合で再分配されるのです。これは超ド級の金額であることは今更言うまでもありません。

『ワールド・エコノミック・フォーラム』で波に乗るインド



いまニューデリーで『ワールド・エコノミック・フォーラム』が開催されています。
初日の日曜日は既にインド株式市場にとってポジティブな材料がどんどん飛び出しました。
先ずマンモハン・シン首相は金融市場の改革を宣言しました。またGDP成長率のターゲットとしては9%を見ているとしました。成長は主に内需から導き出されるべきであり、とりわけ教育やヘルスケアに力を入れたいとしています。またインフラストラクチャーの充実も課題です。政府系企業のうち利益が出ていて民営化できるものはどんどんIPOしてゆくという事も先週発表されています。これらのIPOで得たお金で教育やヘルスケアへの支出を増やし、インドの人的資源の開発を加速させるというのがUPA(与党)の意図です。インドでは先の選挙で大敗した毛沢東派の共産党がゲリラ化し、非民主的な手法(=つまり武器)で地方を制圧しようとしており、政府軍と激しい戦いが展開されています。そういう情勢下で民営化IPO宣言をするのは毛沢東派に対し正面から挑戦を挑んでいるという風にも解釈できます。いずれにせよ、『WEF』初日は盛り沢山のアジェンダで実りの多いカンファレンスでした。

インド株には当然、Bullishなニュースです。

素性不明(No-Doc)のゴールドに何故欧州の投資家は殺到するのか?


ニューヨーク・タイムズによると最近、ゴールドの現物に対する個人投資家の需要がとても高まっているそうです。(上の写真の出典はNYタイムズ)

イギリスの有名百貨店、『ハロッズ』は先月から1グラム~12.5キログラムまでのゴールドを売り始めました。「欧州ではゴールドの購入者はゴールドをスイスの銀行に預けるのではなく、自分の家に隠すことが流行っている。もちろん購入の際などに一切のドキュメント無しにだ。」

   ■   ■   ■

僕の考えでは欧州やアメリカの裕福層がゴールドに再注目しているひとつの理由はUBSが米国の富裕層の脱税を助けたという疑惑をかけられ、米国の富裕層のリストを当局に渡したことが影響していると思います。

別の言い方をすればUBSはゼッタイやってはいけないことをやってしまったのです。

人々がスイスの銀行口座を使い、べらぼうなフィーを払う理由はただひとつです。それは税金対策です。これまではスイスの銀行口座というのは顧客の方が出向く場所であり、間違っても銀行の方から顧客にアプローチする場所ではなかったのです。

それがUBSが2000年にアメリカのペイン・ウエバーを買収し、アメリカの裕福層のマーケットを開拓しはじめてからこの鉄則がやぶられはじめました。

ペイン・ウエバーの営業隊を使ってアメリカの富裕層へのサービスを開始するとなると、アメリカの証券法に基づいて業務を行う必要が出ます。するとディスクロージャーや送金の際のドキュメンテーションなどでいろいろな条件を課せられるのです。9・11の後にマネー・ロンダリングやテロリスト防止の見地から電信振替の業務に対する記録保持の義務が強化されたことも重要です。

今回、UBSが脱税を助けた疑いで起訴され、アメリカでの脱税者のリストを当局に渡したことで、超富裕層はスイスの銀行口座がもはや昔のような匿名性、秘密保持機能を持ちえないことが明らかになったのです。

スイスのプライベート・バンクの多くはM&Aで統合され、そのうち少なからぬものはアメリカなどへ事業を広げています。そのような多国籍な業務を行うところほど匿名性や秘密の保持の面では「脆弱である」と思われているのです。先日発表されたUBSの決算でも米国の富裕層が次々に口座を閉めた関係で米国のオペレーションがガタガタに崩れていることは明白でした。

ETFなどゴールドをめぐる新商品の世界もエキサイティングですが、昔ながらのフィジカルの世界もエロ妖しい展開になっているのです。

2009年11月8日日曜日

劇画風「日本再生の謀略」 (すべてフィクションだよ~ん)

「きみ、最近、日本株が世界の株式市場より出遅れているそうじゃないか?デカップリングの原因はなんだ?」

「どうも最近のドル安で輸出企業が苦しんでいるのを市場が嫌気したようで、、、」

「そんなのは理由にならん!逆に言えば内需企業にとってフォローの風ということだろうが。」

「問題はEPSの上方修正・下方修正なんです。株式市場が最も敏感に反応するのは経済をどう修正してゆくかというお題目ではなく、足もとの企業収益ですから、、、」

「フン、わかったような口をききやがって。じゃ、どうすりゃいいんだ?」

「実はとっておきの案を温めているのです。」

「もったいぶった言い方するな。はよう言わんかい!」

「アメリカにリーマンの空売りで儲けたとっちゃん坊やが居るんです。」

「そんなもん、リーマンの空売りで儲けたやつなんて、そこいらにゴロゴロ居るんとちゃうか?」

「いや、とっちゃん坊やは違います!アイツはリーマンが破たんする前からリーマンの財務部長を無能呼ばわりして解任させるとか、とにかく、立ち回りが上手いし、ヘッジ・コミュニティーに神通力を持った男です。」

「それと日本株再生シナリオと、どう関係があるねん?」

「実は、、、とっちゃん坊やを使ってみようかと思っているのです。」

「ほほう。」

「今度、アメリカの大きな投資カンファレンスでとっちゃん坊やがスピーチするのです。その機会に日本の直面する危機について彼がペラペラしゃべるよう、チョッと入れ知恵してみようかと思っているのです。」

「ばあか!そんなことしたら、ぶち壊しだろうが。寝た子をおこすような事して、どうする?」

「局長、ポイントは為替なんです、為替。長期金利の上昇や借り換えコストの上昇の問題はじんわりとしか顕在化しない不都合です。でも市場の為替に対するエクスぺクテーションに働きかけることが出来れば、輸出株は買われます。」

「だけんど不勉強な日本の証券界に、とっちゃん坊や言うても誰も知らんのとちゃうか?」

「大丈夫です。そんな事もあるだろうとおもって断る力おねえさんを既に推挙しています。」

「断る力おねえさんって、あのアラサー世代の女性にウケているモノ書きのことか?」

「そうです。彼女は最近、ツイッターに凝ってまして、、ヴァイラルです!」

「じゃが、難しい議論はひとりごとにはむかんだろう?」

「キャッチーなコンセプトを用意してあるんです!」

「なんだ、それは?もったいつけずに早く言え。」

「1ドル120円の固定相場を主唱させるのです。」

「そんなアホな!」

「荒唐無稽だからいいんです。これなら突飛すぎるので、無害です。」

「ふん、そんなものか」

「要するに世論を円安支持にもっていけばよいだけで、、、」

「勝手にしろ。でも失敗したら九州に飛ばすぞ。」

中国の資格試験代行業者、ATA(ティッカー:ATAI)が決算発表

ATA(ティッカー:ATAI)は中国のコンピュータ・ベースのテスト・サービス業者です。同社は日本で言うところの証券外務員試験などの資格試験の実施を代行しています。

中国は世界で初めて試験を「発明」した国だと言われています。また中国は競争社会であり、なんでもかんでも「テスト、テスト」です。去年の国家の資格試験の受験者総数は6000万人でした。

現在、中国に於ける資格試験の大半は紙と鉛筆の昔ながらのテスト方法が使われていますが、今後、ATAのようなコンピュータ・ベースの試験が増えると思われます。ATAは中国全土で1900か所のテスト・センターをフランチャイズ方式で展開しています。テスト・センターの稼働率は僅か7%ですので今後どんどん新しいテストを追加することが出来ます。具体的には証券、保険、不動産などが当面の成長分野です。ATAのように資格試験サービスで一度代行業者に指名されると失敗が無い限り指定替えになることはまずありません。その意味では独占的色彩が強いビジネスです。

ATAは1999年創業で、これまでは主に政府の資格試験の代行の仕事をしてきました。しかし最近は企業の採用に際する能力テストを代行するサービスも開始しています。「HRセレクト」と題されたこのサービスは未だ始まったばかりです。さらに「TOEIC」などの外国から輸入されたテストも実施されはじめました。

そのATAが今日決算発表しています。決算の中身は悪かったです。しかしこれにはちゃんとした理由があります。

売上高 610万ドル(予613万ドル)
EPS ▼11¢(予▼2¢)

試験実施サービスからの売上高は去年の同期に比べて+88.8%でした。問題はこのところ中国もインフルエンザが流行しており、H1N1による証券外務員試験、保険外交員試験の中止で2.3万人の受験予定者からキャンセルが出たのです。この悪材料はすでにある程度市場には知られており、その意味では今期の決算は「捨て石(throw away quarter)決算」だったのです。

僕の考えではインフルエンザは今後も猛威をふるうでしょうが、永遠に続く材料ではありません。その一方で科挙試験の伝統が脈々と続いている中国の「試験好き」の体質は将来も変わらないと思うのです。だから今回の決算でATAが大売られしたら、絶好の買い場になると考えています。

下院ヘルスケア法案可決の瞬間

下院ヘルスケア法案の可決をどう株式市場でプレイするか?


下院が番狂わせでヘルスケア改革法案を可決しました。
株式市場の方では「ヘルスケア改革法案は死んだ」という思惑がこのところ台頭しており、それにより恩恵を受けるユナイテッド・ヘルスケア(UNH)やエトナ(AET)の株は最近、連日連騰していました。
「実は一番バリューがあるのはヘルスケア関連だ。」そういう投資家が結構、多かったので、彼らは慌てると思います。
目先はこれらのヘルスケア株はショートだと思います。
ただ、3年くらい先の展望に立てば、この冬、ある時点からヘルスケア株にしっかりとしたポジションを建てる必要を感じています。その理由は悪材料の中でも最悪のシナリオである国民皆保険制度が現実のものとして確定した時点で、もはやヘルスケア株が「失うものはない」状態になるからです。
ここで面白いのは過去にアメリカのヘルスケア・セクターで最も忌み嫌われ、ヘルスケア業界から激しく攻撃され、それにもかかわらず可決してしまったのが1965年のメディケアだとういことです。当時、この立法に大反対したお医者さんやヘルスケア業界は、法律が決まるとともに、新しい制度下でいかに自分の利益を伸長するかに専心しはじめます。すると(なんだ、新しいルールはザルだな。うまい汁を吸う機会はいくらでもあるぞ!)ということに気付くのです。ヘルスケア・セクターの黄金時代(=そして国民の負担という観点からは恐るべき浪費時代)はここが起点として始まっているのです。
従って今回の改正ヘルスケア法案に関しても、ヘルスケア業界は必ず順応する方法を編み出すに違いありません。

下院ヘルスケア改革法案が「番狂わせ」で可決!


下院ヘルスケア改革法案が可決しました!

土曜日夜下院ヘルスケア改革法案が220対215で可決しました。ひとりの共和党議員が賛成票を投じたことでこの可決は「超党派」になりました。(先の上院案の投票でも同じことが起こりました。)
今回の投票の行方は最後まで混沌としており、どちらかといえば悲観論の方が多かったように思います。オバマ大統領、ナンシー・ぺロシ下院委員長らの土壇場での猛烈な根回し活動が功を奏した模様。

今回のヘルスケア改革法案は1965年以来の大きな社会福祉改革となります。約1兆ドルを投じて現在健康保険に加入できていない国民3600万人に国の健康保険を提供します。別の言い方をすれば国民皆保険の強制となるわけです。また、国の健康保険という選択肢が出来るので、民間のプランとの間で初めて本格的な競争原理が導入されます。

土曜日の下院での審議は14時間以上におよぶマラソン討議で、議員さんの中には家族、つまり子供や孫まで動員してスピーチをさせるという、異例のバトルになりました。

今回の可決のひとつのカギを握ったのは政府が新しく創設する国民健康保険では堕胎手術を保険の対象外にするという条項を盛り込んだことです。これにより堕胎手術に宗教上などの理由から反対する議員さん達が賛成派に回りました。

今後のスケジュールとしては上院が最終的な上院版ヘルスケア改革法案を可決する必要があります。さらに今回の下院案と上院案を融合させ、それをオバマ大統領の署名に付すわけです。上院は下院より過半数を得にくいので上院版ヘルスケア改革法案がすんなり通りかどうかはわかりません。

今回の下院ヘルスケア改正法案は国民皆保険のための予算原資としてメディケアの中でムダとされる支出をカットすること、裕福層に5.4%のヘルスケア税を課すこと、自営業をのぞく全ての企業は会社の健康保険のプレミアムを払うことを強制されること、会社で健康保険を設置しない企業は給与支出の8%分のペナルティー課税を課せられることが盛り込まれています。

なお、ウォール・ストリート・ジャーナルが読者に対して行ったアンケート(集計は日曜日朝)の結果が上のグラフです。(出典:ウォール・ストリート・ジャーナル)

WSJの読者は保守的な人が多いのでこれが国民の総意かどうかは注意して扱う必要があります。ただ言えることはウォール街は今回の可決を予期していなかったことだけはこのアンケート結果からも推し量れます。

『ワールド・オブ・ウォークラフト』の管轄をめぐって文化局と新聞出版総署がバトル!

週末のNYタイムズに面白い記事を発見しました。
それによると先週月曜日に中国の新聞出版総署(GAPP)ネットイーズ(ティッカー:NTES)に対して『ワールド・オブ・ウォークラフト』は違法だからすぐ閉鎖するようにという指示を出しました。
これに対して水曜日に中国文化局(Ministry of Culture)が「いや、そんなことはない。ネットイーズのライセンスは合法だ。それから新聞出版総署のやっていることは本来、文化局の管轄であり、彼らに舶来のオンラインゲームの閉鎖を指図する権限は無いのだ!」と真っ向から対立するコメントを発しました。
結局、この問題は中国国務院(=中国の最高行政機関)に預けられ、そこでどちらの主張が正しいかの判断が出されるの予定だそうです。

なぜ複数の監督当局がネトゲごときで大バトルを繰り広げているのか?それは中国ではオンライン・ゲームがビッグ・ビジネスだからです。およそ中国人のエンターテイメントのカテゴリーとしてはネトゲはテレビなどよりずっと大きいのです。

中国のネトゲ株は最近のこのような「行政指導リスク」を嫌気して全般に軟調な展開です。一番パフォーマンスが良い株は独自のゲーム・エンジンを所有しているパーフェクト・ワールド(PWRD)で、この株だけはあんまり下がっていません。でもチャンヨウ(CYOU)、そしてその親会社であるソーフー(SOHU)、シャンダ・ゲームズ(GAME)、そしてその親会社であるシャンダ・インタラクティブ(SNDA)などは軒並み冴えない展開です。

この問題がすっきりすれば、またネトゲの株が面白くなる気がします。