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2009年11月25日水曜日

リアルタイム・ウエブの活用例

StockTwits(ストック・トゥイッツ)はツイッターの活用例のひとつとしてしばしば言及されるサービスです。

この試みの良い点は誰かがネタを出したら、それがリアルタイムで反映される点です。つまり経済指標が発表される日にFXをトレードする際などにとても利用価値が高いと思います。

現在、日本ではツイッターをトレードに活用している人は少ないです。その意味では「2ちゃんねる」には或る程度、FXのコミュニティーみたいなものが出来あがっており、稲妻のようなスピードで最新ニュースが取得できます。

でもゆくゆくは誰かがTwitterによる投資コミュニティーをモノにするでしょうね。

これは英語にハンデのある日本人にとっては強烈に心強いツールになりうるのです。
なぜなら、帰宅後トレーダーの方がニュースを知りたければ:

「今日の新規失業申請件数、幾らだったの?」

とTweetするだけで良いからです。教えてくれる人は続々出て来るでしょう。
別の言い方をすればトレードする際のニュース取得のクラウド・ソーシングです。

個人投資家の世界ではこれが次のメガトレンドのような気がします。

フェイスブックのIPOが近い? 



フェイスブックがクラスAとクラスBの2種類の株式の構造を採用すると発表しました。
通常、或る未公開企業がこの手の発表をすると、IPOが近いと言えます。
(フェイスブックは未だ未公開会社ですが、実際には同社の株式はルール144A市場という機関投資家間の私募市場で既に取引されています。)

2009年11月23日月曜日

Tweetするべきか、しないべきか、それが問題だ





ニューヨークのロングアイランドのショッピングモールでジャスティン・ビーバーというティーン・アイドルがファン・イベントに参加する予定だったのですが、Twitterで集まってきたファンの余りの多さに危険を感じ、イベントをキャンセルしました。

警察は「群衆に家に帰るようにTweetしてくれ!」と主催者に懇願しましたが、主催者側がTweetしなかったのでティーンエージャー達が暴徒化し、この主催者は警察に協力しなかったという罪で豚箱へ。

ウォール・ストリート・ジャーナルは「Tweetしなかったというかどで拘束された最初の例だ」と報じています。

12月8日 ネット広告に革命がおこる


2009年10月23日金曜日

グローバル・スタンダード 2.0


上のスライドは4月に「シリコンバレー特集」をやったとき使ったものです。
そこで指摘したのはマーヴェル(MRVL)という会社の創業社長、サハート・スタルチャが、「次の10億人の顧客の獲得」を真剣に考えているということです。
日本の人口は1.27億人、アメリカの人口が3.14億人なので、10億人を顧客に取り込むためには新興国の人々を想定しないといけません。
サハートは「コンピュータ・チップのパワーの恩恵に与かれるのは先進国の人や裕福な人だけだという考え方は間違っている。人々が豊かになるまでの時間が待てないのなら、コンピュータの方で値段をどんどん下げて人類すべてがその恩恵に浴すことができるようにすべきだ」と主張しているのです。
マーベルのデジタル・チップのエンジニアは世界で最も生産性の高いチームです。車に例えればフェラーリのチームみないなものです。その連中がそのパイパワー・チップを低開発国の貧しい人々を含めた、すべての人の手に届く値段で提供することをモットーとし「デジタル・デバイドを埋める会社はオレたちだ」と考えている点は極めて重要です。

われわれはBRICsなどの投資ストーリーを考える場合、「インドや中国の農村の人たちはまだ貧しいから、携帯電話は買えてもコンピュータは無理だろう」とか、すぐ紋切り型の発想になってしまいます。でもサハート・スタルチャのような、チェスで言えば3手も4手も先を読める経営者が考えていることはやっぱりスケールが違います。
昔、ドットコム・バブルの時、「グローバル・スタンダード」という言葉がもてはやされました。「アメリカがすべてを牛耳っていて、世界標準はアメリカが決める、、、」という議論です。
僕は当時シリコンバレーのIPOシーンのど真ん中に居たのでこのグローバル・スタンダード云々の議論を白々しく思いました。
(彼らがしのぎを削っているのは、ライバルに寝首をかかれないように他社より優れたオペレーティング・システムやビジネスモデルを求めているだけなのに、、、なんで外野の傍観者たちはそれをあたかも国家の意思とか国民の総意のようにとるのだろう?なんか馬鹿げている。)
X86プロセッサーもウインドウズOSも出発点は個々のイニシアチブであり、国家の方針ではありません。それが結果として世界の人が使うもの(=グローバル・スタンダード)になったからといって、最初からそういう陰謀的意図でビジネスをはじめる人が居るでしょうか?
若し、その論法をあてはめるのなら、たぶんTwitterなんてものダース・ベイダー的な世界征服を目指した試みであると決めつけられるに違いありません。
現実としてはiPhoneやTwitterなどの便利なツールがそこにあり、世界の人がそれを使っている、、、ただそれだけの事なのです。しかも最近はAtomとかAndroidとかARMADAなどの、いままでのそろばん勘定とはぜんぜん違う、値頃なソリューションがどんどん出てきています。
するとそういうデバイスを使いこなせる人と使いこなせない人の間で、デジタル・デバイドが起きる、、、
先進国の中にもそういうツールが使えず、恩恵に浴せない人が居る一方で、新興国の中にもカッティング・エッジのツールをどんどん使いこなす、超ノマド的人種はいま激増しています。
すると国家という区分で人々の帰属を把握することの意味が薄れていると考えることができるのです。そういう超ノマド的人間はアメリカにも居るし、インドや中国やロシアやブラジルにも居るし、当然、日本にも居ます。
国家の枠組みを超え、時間や空間を超えた存在、そういう人種こそ、我々が今後注視すべきトレンドであり、彼らのOS(オペレーティング・システム)はネットそのものなのです
若し、そういうまわりくどい言い方が厭なら、それを「グローバル・スタンダード2.0」と呼べばいいんじゃないですか?
そして「グローバル・スタンダード2.0」はあきらかにpowered by Silicon Valleyです。

2009年10月21日水曜日

久しぶりに聞けた“ネットの女王”、メアリー・ミーカー節 シリコンバレーは超ホットになる!

MS Economy Internet Trends 102009 FINAL

サンフランシスコで開催中の『ウェブ2.0サミット』でモルガン・スタンレーのメアリー・ミーカーがキーノート・スピーチをしました。上は彼女のプレゼン。特に29ページ以降が重要です。(full screenのボタンを押すと見やすくなります。)

「モバイル・インターネットの市場はどでかい!」

「すでにモバイルへの布陣を完成させているインテルは第2四半期から第3四半期にかけて、過去30年で最大の売り上げ成長を見せたし、アップルの決算もぶっちぎりに良かった。これらの企業は今後ハイテク・セクターで起こることの先行指標なのだ。」

「既にハイテクのIPOは去年の2倍になっているし、ディールのパイプラインも良い。」

   ■   ■   ■

ここで言うディールのパイプラインにはフェイスブックツイッターも含まれています。これらの企業がIPOということになれば、グーグルのIPOに匹敵する人気になるでしょう。
メアリーの今日のプレゼンは「モルスタも当然、主幹事を狙います!」という雄叫びなのです。

2009年10月20日火曜日

スマートフォン戦争

ウォール・ストリート・ジャーナルのデジタル・デスクのローレン・グッドによるとベライゾン、モトローラ、グーグルは共同して「iAttack」というキャンペーンを計画しており、「ドロイド」と名付けられたスマートフォンを今月末にも発表するのでは?と予想しています。

2009年10月18日日曜日

ツイッターはツイッターだ (シリコンバレーはirrelevantになったのか?)


ツイッターを日本に紹介するとき「ミニブログのようなもの」とか、いろいろな形容の仕方がされており、それが(わかってない)とか(ちょっと違うよね)というリアクションを呼んでいます。
で、僕もツイッターを説明するときには正直、困ります。
「ツイッターは、、、ツイッターだよ。」
とか、わけのわからないことを言う羽目に。
でもこのような一種形容し難いヘンテコリンなものが出てきているときというのは実は極めて大事な現象が起こっているときであり、僕の中のinvestment banker的な本能が「ウ~ウ~」とサイレンを鳴らす瞬間でもあるのです。
(相場になるぞ、コレ!)
例えばWalkmanが最初に登場したとき、「なんだい、それ?!”#$%」というリアクションがあったわけです。
「テープレコーダーなのにスピーカーがついてないなんて、商品として不完全でねえの?」
ウォークマンを形容しようと思ったとき、やはり昔の人は困ったに違いないのです。
イノベーションというのはそういうものです。
で、結局ウォークマンはどう説明されたかといえば:
「ウォークマンはウォークマンになった」のです。
そういう説明で納得行かないひとのためには「ウォークマンは音楽ファンをステレオ・セットの前からliberate(解放)した」というような概念的な説明をしても、いまならスンナリ受け入れられるでしょう。
ツイッターはゆる~い繋がりをviralに広げられる極めて柔軟性に富んだツールであり、その制約条件は使う者のimaginationの限界だけです。
   ■   ■   ■
で、話はシリコンバレーに飛ぶわけですけど、去年、アメリカが金融危機を経験したからといって「アメリカ凋落論」を唱える人が後を絶ちません。でもG Mail使ってiPhone携えてTwitterをやっている最先端の「超ノマド人種」は、考えてみれば全てpowered by Silicon Valleyなのです。
凋落凋落と仰いますが、上のグーグルやアップルの一株当たりキャッシュフローや一株当たり利益の伸びを見てください。これのどこが凋落なの?(それからついでに言えばアメリカ国内で売れたiPhoneは貿易統計の上では米国の「赤字」に貢献します。いい加減、国力を測る尺度として貿易赤字とか外貨準備とかの空虚なコンセプトを振り回すのは意味無いということに気付いた方がいいんじゃない?)
なるほどこれからは中国の時代かも知れないけど、今の中国には「ん、なにコレ?!”#$%」という画期的なモノやサービスを創造するちからは無いよ。


2009年10月13日火曜日

中国が外国企業によるオンライン・ゲームへの投資を禁止

中国のビデオ・ゲーム監督当局、GAPP(General Administration of Press and Publications)が外国企業による中国のオンライン・ゲーム市場への投資を禁止しました。

それによるとジョイント・ベンチャー、子会社設立、技術交流などの方法で外国企業が中国国内のオンライン・ゲーム市場に関与することが禁じられます。

今回の措置でたぶん一番影響を受けるのは最近、『ワールド・オブ・ウォークラフト』の運営ライセンスを取得し、サービス開始を準備していたネットイーズ(NTES)だと思います。また、現在既にアメリカのエレクトロニック・アーツ(ERTS)社と株式持合い関係にあるザナイン(NCTY)も関係解消を迫られるものと思われます。

2009年10月6日火曜日

ブロガー・ガイドラインについて思うこと


ひとつ前のエントリーに原文を載せておきましたが、今日、米国の連邦取引委員会(FTC)が懸案になっていたブロガーのガイドラインを発表しました。

その骨子はブロガーがブログ上で或る企業の商品やサービスをendorsement(=支持すること、お墨付きを与えること)した場合、若しその記事を書くことで当該企業より対価(お金だけじゃなく、モノなどで貰った場合も)を支払われたらそれを公開する必要がある。違反者は最高97.9万円(1.1万ドル)の罰金を取られるというルールです。

なお、上から2番目のグラフはウォール・ストリート・ジャーナルがこのFTCの発表について読者にアンケートを取ったものです。サンプル数が未だ少ないですが、多くの読者はこの発表を支持していることがわかります。

アメリカでは一般のブロガーの82%がアフィリエートやアマゾンにリンクを貼るなどの形で、何らかの対価を貰っています。(上の1番目の円グラフ、出典:WSJ)
アメリカのブロガーの大半がこのような「小遣い稼ぎ」をやっているわけですから、その全員に今回のルールを厳格に適用したなら、たいへんなことになってしまいます。
しかしFTCはセレブなどのパワー・ブロガーのみを当座のターゲットに考えているようです。なお、FTCがこのような広告規定を改定するのは実に30年ぶりであり、如何にブログが今日のアメリカ企業のマーケティングに有機的に組み込まれているかを実感させるエピソードではあります。

連邦取引委員会がブロガー・ガイドラインを発表

以下は連邦取引委員会のニュース・リリースのコピペです。
For Release: 10/05/2009
FTC Publishes Final Guides Governing Endorsements, Testimonials
Changes Affect Testimonial Advertisements, Bloggers, Celebrity Endorsements
The Federal Trade Commission today announced that it has approved final revisions to the guidance it gives to advertisers on how to keep their endorsement and testimonial ads in line with the FTC Act.
The notice incorporates several changes to the FTC’s Guides Concerning the Use of Endorsements and Testimonials in Advertising, which address endorsements by consumers, experts, organizations, and celebrities, as well as the disclosure of important connections between advertisers and endorsers. The Guides were last updated in 1980.
Under the revised Guides, advertisements that feature a consumer and convey his or her experience with a product or service as typical when that is not the case will be required to clearly disclose the results that consumers can generally expect. In contrast to the 1980 version of the Guides – which allowed advertisers to describe unusual results in a testimonial as long as they included a disclaimer such as “results not typical” – the revised Guides no longer contain this safe harbor.
The revised Guides also add new examples to illustrate the long standing principle that “material connections” (sometimes payments or free products) between advertisers and endorsers – connections that consumers would not expect – must be disclosed. These examples address what constitutes an endorsement when the message is conveyed by bloggers or other “word-of-mouth” marketers. The revised Guides specify that while decisions will be reached on a case-by-case basis, the post of a blogger who receives cash or in-kind payment to review a product is considered an endorsement. Thus, bloggers who make an endorsement must disclose the material connections they share with the seller of the product or service. Likewise, if a company refers in an advertisement to the findings of a research organization that conducted research sponsored by the company, the advertisement must disclose the connection between the advertiser and the research organization. And a paid endorsement – like any other advertisement – is deceptive if it makes false or misleading claims.
Celebrity endorsers also are addressed in the revised Guides. While the 1980 Guides did not explicitly state that endorsers as well as advertisers could be liable under the FTC Act for statements they make in an endorsement, the revised Guides reflect Commission case law and clearly state that both advertisers and endorsers may be liable for false or unsubstantiated claims made in an endorsement – or for failure to disclose material connections between the advertiser and endorsers. The revised Guides also make it clear that celebrities have a duty to disclose their relationships with advertisers when making endorsements outside the context of traditional ads, such as on talk shows or in social media.
The Guides are administrative interpretations of the law intended to help advertisers comply with the Federal Trade Commission Act; they are not binding law themselves. In any law enforcement action challenging the allegedly deceptive use of testimonials or endorsements, the Commission would have the burden of proving that the challenged conduct violates the FTC Act.
The Commission vote approving issuance of the Federal Register notice detailing the changes was 4-0. The notice will be published in the Federal Register shortly, and is available now on the FTC’s Web site as a link to this press release. Copies also are available from the FTC’s Consumer Response Center, Room 130, 600 Pennsylvania Avenue, N.W., Washington, DC 20580.
The Federal Trade Commission works for consumers to prevent fraudulent, deceptive, and unfair business practices and to provide information to help spot, stop, and avoid them. To file a complaint in English or Spanish, visit the FTC’s online Complaint Assistant or call 1-877-FTC-HELP (1-877-382-4357). The FTC enters complaints into Consumer Sentinel, a secure, online database available to more than 1,700 civil and criminal law enforcement agencies in the U.S. and abroad. The FTC’s Web site provides free information on a variety of consumer topics.

日本でなぜこのニュースが話題になっていないのか理解に苦しみますが、アメリカではbig dealです。

2009年10月2日金曜日

投資銀行の朝会でもここまでhard hittingなディスカッションは出ない



ウォール・ストリート・ジャーナルの新しい試み、「ザ・ニュース・ハブ」は、やっぱり凄いです。
議論されている内容の質の高さは、やはりWSJならでは。しかもそれぞれの記者が臆せず自分の意見をズケズケ主張するさまは小気味良くすらあります。

2009年9月28日月曜日

イングリッシュ・セントラル(English Central)で発音練習ッ!

イングリッシュ・セントラル(English Central)という会社が話題になっています。
このサイトではビデオを観て、その会話に続いて自分で発音してみて、その発音をコンピュータに評価して貰う、、、そういう仕組みです。

このサイトの使い勝手に関しては「理系大学院留学日記」の記事が詳しいので、そちらを参照して下さい。

僕がこのサービスを見て、(いいなあ)と思った点は、有名人のスピーチなど、興味の沸きやすい素材を元に発音練習できる点です。

例えばデモのビデオは映画、『ローマの休日』の「ランチからシャンペン」のエピソードを元に作られています。(ただ、難を言えば日本語訳はイマイチですね。どこがイマイチなのかは下に示します。)

The last time was my father’s anniversary.
一番最近は、私の父の記念日だったわ。

Wedding?
結婚記念日?

No, it was the fortieth anniversary of the day he got the job.
いいえ、父が仕事について40周年の記念日だったの。

Forty years on the job. What do you know about that!
就職して40年って。なんで君がそれを知っているんだ!

→このWhat do you know about that!というのは「すげえなあ!」くらいの訳が適切だと思いました。

What does he do?
彼は何をしているの?

(中略)

Well, people in that line of work almost never do quit.
ええと、その一連の仕事に就いている人はほどんど絶対に辞めないの。

→line of businessは「その種の仕事」と訳されるべきです。

このストーリーは或る国の王女さまであるアン(オードリー・ヘップバーン)がおしのびで町に抜けだし、新聞記者(グレゴリー・ペック)に拾われるという筋立てであり、勘の良い新聞記者はこの謎の娘が実は王女様であることに気付くわけです。それでカフェでいろいろ探りをいれているわけ。
アンはお父様が国王であることを悟られないようにわざとぼやかして、歯にモノの詰まった言い回しでその話題から逃げようとしているシーン。

ペック演ずる新聞記者は(知りたい、知りたい)と焦っているのでWhat do you know about that.という驚嘆の言葉が思わず出てしまった、、、つまりフロイディアン・スリップなのです。

一方、アン王女のお父様の仕事はその国にひとつしかない仕事だから「一連」ではありません。

   ■   ■   ■

まあ、細かい揚げ足取りはこのへんにして、どういう仕組みでこのサイトが出来ているのか?ということですが、もともとこのイングリッシュ・セントラルをはじめた社長サンはAT&Tのベル研究所を経てスピーチワークスで働いた人です。

「ベル研」というのは理工系の人なら良く知っている、たいへん権威のあるリサーチ・センターです。

スピーチワークスは「音声認識ソフトウエア」の会社で、コールセンターなどでコンピュータの声がカスタマー・サービスに応対する、、、あの技術を持っている会社でした。(後にスピーチワークスはニュアンスに買収されています)

昔、僕が勤めていた投資銀行がスピーチワークスのリードバンカーだったのでスピーチワークスのIPOには深く関わりました。

イングリッシュ・セントラルのアイデアは、従って音声認識ソフトウエアの「応用」ということになります。

なお、イングリッシュ・セントラルのVCはビジネス・オブジェクト、アーキュル、エクセリクサスなどを手がけたアトラス・ベンチャーズとグーグル・ベンチャーズです。

2009年9月27日日曜日

Twitter(ツイッター)のビジター数は着実に伸びている

ツイッターのビジター数が着実に伸びています。ここ数カ月はアメリカ国内より海外での伸びが著しいですね。同社は最近、VCなどから追加の資金調達をしました。

或るアメリカの中小企業の元社長さんと話していて面白いエピソードを聞きました。

彼は誰がオフィスビルなどの建物に出入りしたかをカードで管理する、入室セキュリティーのシステムを販売・設置するビジネスをやっていたのですが昔は電話帳(イエローページ)で広告を出していたけれど、グーグルが登場してからはクリック広告が主体になり、そのクリック広告のコストがだんだん嵩んできて将来に不安を感じ、ビジネスそのものを手放してしまったそうです。

このようにグーグルが良かれ悪しかれ中小企業の販売促進や広告戦略にガッチリと組み込まれてしまい、その元社長さんに言わせれば「年間の広告予算を策定する自由を奪われた」ということになります。

最近のインターネットの展開で、次にグーグルのような「ユーティリティー」となる可能性を秘めているのは彼の考えではツイッターなのだそうです。日本では中小企業のツイッター利用は未だ殆ど無いと思いますが、アメリカではとりわけコンサルタントやフリーランス、飲食店、小売業などでツイッターは「must have」になりつつあります。

2009年9月25日金曜日

メディア・ウォーズ 動画によるコミュニケーションで情報提供者の垣根がぼやける




先日のエントリーでウォール・ストリート・ジャーナルの『ニュース・ハブ』という画期的な試みを紹介しました。
でも新しいことを試みているのは何もアメリカのメディアだけではありません。また、お金をかけなくても工夫次第で視聴者への訴求はいくらでも出来ます。
その好例がIDO証券のYouTubeを利用した市況解説です。(上から2番目)
基本的にYouTubeの利用はタダですから、これで視聴者にアピールできれば、これほど安上がりなマーケティング方法はありません。
僕の好みから言うと、Web2.0の利点を最も素直に利用しようとしているIDO証券のアプローチがいちばん理に適っていると思います。
唯一、IDO証券のやり方で駄目なところは動画の埋め込みを無効にセットしてある点です。折角、インターネットで動画を公開するのなら、ブロガーの人たちにどんどん動画を埋め込んでもらって、viral marketing(伝染的マーケティング)の効果を狙った方が良いと思います。
次にひまわり証券の「ひまわりWEB TV」もかなりイイ線行っている試みです。
こちらの方は(自信ないけど)たぶん直伝チャンネルというウェブによる動画提供サービス会社のシステムを使っていると思います。
ひまわり証券のホームページとの融合性という点ではこちらの方が完成度は高いです。
でも折角、質の高いクリップを作っているにもかかわらず、「閉じた世界」にこだわっているのでひまわり証券の顧客以外は、こんな良質なサイトがあることを余り知らないのでは?
ここでも動画の埋め込み(embedding)が出来ない点が致命的。
3年くらい先の世界を考えると、皆、通勤電車の中でiPhoneでこのような市況解説の動画を観ながら出勤するのは当たり前の世界になるでしょう。また、総合証券のセールスマンなど要らなくなる日が近づいていると思います。従来型の証券会社は至急、「なべトーク」みたいなキャラクターを育成することを考えた方がいいと思います。
因みに一番上はブルームバーグTVの画面です。キャスターのマーガレット・ブレナンは最近、CNBCから引き抜かれたエース。お金をかけてテコ入れを試みているのでしょうけど、しゃちほこばったプレゼンテーションは時代遅れを感じさせます。
またマーガレットのお喋りそのものも、なんとなく疲れたようで覇気がありません。(彼女は非常に頭の切れるキャスターで、この画像ではストラトフォアのジョージ・フォアマンとイランに対する経済制裁の効果の無さを議論し合っています。)
結論としては:
1.新聞社(=WSJ)も動画を発信し
2.証券会社も動画を発信し
3.情報ベンダー(=ブルームバーグ)も動画を発信している
ということ。但し、その目指すところは違います。つまり:
1.新聞社や情報ベンダーは広告収入の多角化を目指している
2.証券会社は顧客とのコミュニケーション、サービスの一環として動画配信している
ということ。

2009年9月24日木曜日

ウォール・ストリート・ジャーナルの新しい試み 『ニュース・ハブ』




最近、ウォール・ストリート・ジャーナルが『ニュース・ハブ』というビデオ番組を始めています。
上はニューヨーク証券取引所が引けた後の「PMレポート」、そして下が寄り付き前の「AMレポート」です。
先ず番組の内容に関してですが、ここに登場する全てのコメンテーターは現役の新聞記者であり、その意味ではTV番組のキャスターとしては「しろうと」です。
画像もウェブカムで撮られた、安っぽいイメージが平気でぶち込まれているし、カメラマンの手許がブレて、画像が揺らいだりしています。
この手作り感がミョーな臨場感を与えています。その意味で「YouTube時代」を意識したスタイルになっていると言えるでしょう。
さすがに各コメンテーターの喋っている内容は新聞記者だけあってポイントを突いているし、増える一方のニュースのサマリーとして『ニュース・ハブ』を観ればその日、投資家が知っておくべきことが大体、カバーできるようになっています。

次になぜWSJのような新聞社がケーブルTVのまねごとをするか?という問題ですが、このようなビデオ・クリップはスポンサー広告を埋め込むことができます。すると昔はTVの専売特許だった、動画による訴求が新聞のHPで出来るようになるのです。これは新しい広告スペースが創造されることを意味するし、新聞社にとっては収益機会が増えることを意味します。

実際、ウェブの動画をプロデュースし、その広告スペースを販売するブライトコーブという企業は先日、グーグルから買収されるという噂がたちました。

ウェブ動画の普及はCNBCのようなケーブル・テレビとウォール・ストリート・ジャーナルやブルームバーグTVの境界線がぼやけてきて、新しい競争が始まる事を意味します。

2009年8月7日金曜日

フェイスブックはもうカッコ良くないし、ついったーは落ちてばっかり


テッククランチという、ネット界でおこっている新しいトレンドをスクープするブログは、時として辛辣であったり、ネガティブな事も書いてあります。
或る記事でエレヴェーション・パートナーズのロジャー・マクナミーが深く考えもせずテッククランチにプレス・リリースを送りつけること関して、「でもあいつらいつもネガティブな記事しか書いてくれないから、、、スタートアップ企業がパブリシティーを求める場としては辛すぎんじゃないの?」と警戒的なコメントをしているのを読みました。
確かにそうかもしれません。
今日、テッククランチは「もうフェイスブックは20代の若者にとってカッコ良くない」という記事を書いています。これについては「でもフェイスブックは海外展開しているから大丈夫」とか、いろいろ反論があると思います。したがって米国内の若者のキモチが離れ始めているということが、そのままフェイスブックの凋落を意味するとは思いません。それにしてもコアのユーザー層からそっぽを向かれ始めるというのはマイスペースの例を挙げるまでもなくネット・ベンチャーにとっては恐ろしいことです。
一方、ついったーに対してはDenial of Service Attack(DDOS)が仕掛けられているらしく、40分以上もダウンしています。ついったーに関しては僕は主に株に関するネタで、普通の情報ソースから漏れている情報を補完的に収集するという目的に使っています。(あとはもちろん、読者との交流にも使いますが。)
するとこの前の「勝間現象」のようなことが起こると、いっぺんに自分にとってrelevantな情報が取れなくなり、フォロー・リストを「間引きする」必要が出てきてしまいます。ユーザーが増えることはネット企業にとって大事なことだと思いますが、僕にとってはsignal-to-noise-ratioの方が重要な問題です。

2009年7月26日日曜日

インターネットは不況どこ吹く風

上のグラフは世界のIP(インターネット・プロトコル)トラフィックの増加を示したものです。

インターネット通信のボリュームは年率45%で成長しています。
06年から08年のたった2年間で地球上のインターネット・トラフィックは2倍になりました。

また08年から09年にかけて、つまり世界が第二次世界大戦以降最大と言われる景気後退に呑まれている間でもインターネットはスローダウンしなかったのです。

現在のハイテク業界を見るとボトルネックは2つあります。
ひとつはデータ・センター。
もうひとつはアイフォーンに代表される、携帯デバイスからインターネットへ接続するオンランプです。

とりあえずこのへんが投資対象として面白いと考えています。

2009年7月24日金曜日

フォックスのジョナサン・ミラーのインタビュー

ミラーのインタビューの中で大事な部分は以下の通り:

「人々は既に自分の時間の30%をインターネットで使っている。ところがインターネットに割り当てられた広告費は9%にすぎない。この2つの数値はいずれ同じになる。」