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2009年9月25日金曜日

メディア・ウォーズ 動画によるコミュニケーションで情報提供者の垣根がぼやける




先日のエントリーでウォール・ストリート・ジャーナルの『ニュース・ハブ』という画期的な試みを紹介しました。
でも新しいことを試みているのは何もアメリカのメディアだけではありません。また、お金をかけなくても工夫次第で視聴者への訴求はいくらでも出来ます。
その好例がIDO証券のYouTubeを利用した市況解説です。(上から2番目)
基本的にYouTubeの利用はタダですから、これで視聴者にアピールできれば、これほど安上がりなマーケティング方法はありません。
僕の好みから言うと、Web2.0の利点を最も素直に利用しようとしているIDO証券のアプローチがいちばん理に適っていると思います。
唯一、IDO証券のやり方で駄目なところは動画の埋め込みを無効にセットしてある点です。折角、インターネットで動画を公開するのなら、ブロガーの人たちにどんどん動画を埋め込んでもらって、viral marketing(伝染的マーケティング)の効果を狙った方が良いと思います。
次にひまわり証券の「ひまわりWEB TV」もかなりイイ線行っている試みです。
こちらの方は(自信ないけど)たぶん直伝チャンネルというウェブによる動画提供サービス会社のシステムを使っていると思います。
ひまわり証券のホームページとの融合性という点ではこちらの方が完成度は高いです。
でも折角、質の高いクリップを作っているにもかかわらず、「閉じた世界」にこだわっているのでひまわり証券の顧客以外は、こんな良質なサイトがあることを余り知らないのでは?
ここでも動画の埋め込み(embedding)が出来ない点が致命的。
3年くらい先の世界を考えると、皆、通勤電車の中でiPhoneでこのような市況解説の動画を観ながら出勤するのは当たり前の世界になるでしょう。また、総合証券のセールスマンなど要らなくなる日が近づいていると思います。従来型の証券会社は至急、「なべトーク」みたいなキャラクターを育成することを考えた方がいいと思います。
因みに一番上はブルームバーグTVの画面です。キャスターのマーガレット・ブレナンは最近、CNBCから引き抜かれたエース。お金をかけてテコ入れを試みているのでしょうけど、しゃちほこばったプレゼンテーションは時代遅れを感じさせます。
またマーガレットのお喋りそのものも、なんとなく疲れたようで覇気がありません。(彼女は非常に頭の切れるキャスターで、この画像ではストラトフォアのジョージ・フォアマンとイランに対する経済制裁の効果の無さを議論し合っています。)
結論としては:
1.新聞社(=WSJ)も動画を発信し
2.証券会社も動画を発信し
3.情報ベンダー(=ブルームバーグ)も動画を発信している
ということ。但し、その目指すところは違います。つまり:
1.新聞社や情報ベンダーは広告収入の多角化を目指している
2.証券会社は顧客とのコミュニケーション、サービスの一環として動画配信している
ということ。

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