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2009年12月3日木曜日

バーナンキ議長が議会で吊し上げに遭う日

バーナンキは不人気

ベン・バーナンキFRB議長の再指名のコンファメーション(=議会の承認)がいよいよ目前に迫っています。でも前にも書いたとおり、オバマ大統領がバーナンキを推したのは、あくまでも「推した」だけであって、最終的に議会が承認しなければバーナンキはFRB議長に再任されません。

さて、今日、有権者調査会社、ラスムーセンにこういう記事が出ています:

Just 21% Favor Bernanke’s Reappointment As Fed Chairman

つまり有権者の21%しか積極的にバーナンキ議長を支持していないのです。この支持率は7月頃よりさらに下がりました。

ついでに言えばオバマ大統領の人気も落ち目なわけで、昨日のアフガニスタン増派のスピーチも極めて評判が悪かったです。

バーナンキ再任の承認の難航で相場が一回荒れるケースも少しくらいは考慮した方がいいと思うけど、、、

2009年11月10日火曜日

ウォーレン・バフェット帝国の変遷にアメリカ経済の変貌を見る



僕がアメリカ株をやりはじめた1980年代後半、ウォーレン・バフェットは既に「神話」でした。
当時、僕はバフェットという人は素晴らしいブランドを買う男だと思っていました。なぜなら自動車保険のガイコー、コカコーラ、デイリークイン、シーズ・キャンディーなどが彼のポートフォリオに入っていたからです。
でも1990年代に入るとバフェットは金融への傾斜を強めます。もともと保険というのはバフェットの得意の分野なのですが、いくつかの保険会社の買収、ソロモンの救済などを経て、バフェットの投資会社、バークシャー・ハサウェイは金融サービスのパワーハウスにのし上がったのです。
もちろん、バフェットは今でも金融セクターには深く関与しています。しかし、もう利喰ってしまいましたけど、有名なペトロチャイナへの投資やイスラエルのイスカールへの投資など、バフェットの視野はより国際的になり、なおかつブランド力を買うというのではなく、基幹産業や工業を買うという感じにシフトしてきました。
さらに先日発表されたバーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道の買収はブランド力とか金融サービスとはぜんぜんかけ離れた業種です。
そのあたりをじっくり観察すると、巨視的なレベルでバフェットが何を考えているのかが良くわかります。
つまり今回のディールはバフェットのポートフォリオを債券ないしレバレッジへの傾斜(=保険事業、投資銀行業務)から株式(エクイティー)への傾斜に引き戻す一方、ブランドなどのインタンジブル(のれん)な価値への傾斜からボリューム(石炭や穀物などを右から左へと動かす)への傾斜へと軌道修正しているのです。
上の2枚目以降のスライドはバーリントン・ノーザン・サンタフェのIRスライドですが、2枚目のスライドを見て先ず目に飛び込んでくるのは全体に占める比率として石炭や穀物が高い点です。それからルートを見るとシカゴなど中西部から西海岸(LA、シアトル)へ太いパイプがあることがわかります。
また、意外に多いのは輸入品をLAから陸揚げし、それをアメリカの内陸に輸送するビジネスです。
これらの事から言えることは:
1.クウォリティーないしはブランドからボリュームの時代へ
2.中国との貿易は一層増える
3.金融ではなく、モノの時代へ
というトレンドをバフェットは見ているということです。

2009年11月8日日曜日

下院ヘルスケア法案の可決をどう株式市場でプレイするか?


下院が番狂わせでヘルスケア改革法案を可決しました。
株式市場の方では「ヘルスケア改革法案は死んだ」という思惑がこのところ台頭しており、それにより恩恵を受けるユナイテッド・ヘルスケア(UNH)やエトナ(AET)の株は最近、連日連騰していました。
「実は一番バリューがあるのはヘルスケア関連だ。」そういう投資家が結構、多かったので、彼らは慌てると思います。
目先はこれらのヘルスケア株はショートだと思います。
ただ、3年くらい先の展望に立てば、この冬、ある時点からヘルスケア株にしっかりとしたポジションを建てる必要を感じています。その理由は悪材料の中でも最悪のシナリオである国民皆保険制度が現実のものとして確定した時点で、もはやヘルスケア株が「失うものはない」状態になるからです。
ここで面白いのは過去にアメリカのヘルスケア・セクターで最も忌み嫌われ、ヘルスケア業界から激しく攻撃され、それにもかかわらず可決してしまったのが1965年のメディケアだとういことです。当時、この立法に大反対したお医者さんやヘルスケア業界は、法律が決まるとともに、新しい制度下でいかに自分の利益を伸長するかに専心しはじめます。すると(なんだ、新しいルールはザルだな。うまい汁を吸う機会はいくらでもあるぞ!)ということに気付くのです。ヘルスケア・セクターの黄金時代(=そして国民の負担という観点からは恐るべき浪費時代)はここが起点として始まっているのです。
従って今回の改正ヘルスケア法案に関しても、ヘルスケア業界は必ず順応する方法を編み出すに違いありません。

2009年11月6日金曜日

アメリカでも新規雇用の60%はスモール・ビジネスが創出している

「労働保持より新規採用のインセンティブを」と題された池田信夫さんのブログ記事は素晴らしいと思いました。チョー有名な人なんだと思うけど、恥ずかしながら最近までこの人の存在を知りませんでした。(如何に僕が「浦島太郎化」しているかの証左。知るきっかけになったMikeexpoさんのTLに感謝。)

それはさておき本題の雇用を増やすにはどうすべきか?という問題ですけど、今、アメリカで議論されていることを紹介します。アメリカでは新規雇用の60%がスタートアップ企業のようなスモール・ビジネスから創出されています。(上のスライドは先のCMCマーケッツ向けセミナーで使用したもの。)

すると中小企業がいかに新規採用をやり易くするか?が失業率を下げてくる鍵を握っているわけです。この点ではアメリカ人の間ではコンセンサスが出来ていて、「大企業の既存の雇用をどう守るか?」に拘泥している論客は殆どいません。(だれもが口を揃えて、「非効率な大企業はどんどんリストラすべし!」と言います。)

中小企業の新規採用を促進するにあたっていちばんの足枷になっているのはヘルスケア問題です。具体的には健康保険の企業負担分(=つまり保険料)の増加という問題が多くの中小企業をして会社の健康保険を提供できない立場に追いやっているということです。また既に会社の健康保険プログラムを提供している企業では新規採用をする場合、直接のサラリーの他にヘルスケアコストなどの福利厚生も考えなければいけないわけで、これが採用を躊躇させる主因となっているのです。

所謂、「オバマ・ヘルスケア案」がいまなぜ大問題となっているかの説明はこのへんが関係しているのです。

2009年11月5日木曜日

FOMCステートメントの読み合わせ

11月のFOMC
経営資源の(=この英語はresource)稼働率が低いこと、インフレが安定していること、インフレ期待が安定していることなどから現在の極端に低いFFレートを当分の間、維持してよいと判断した。

9月のFOMC
引き続き極端に低いFFレートを当分の間、維持してよいと判断した。

【解説】
→FRBは当分、極端に低いFFレートを維持することを明快にシグナルした。但し、今後、どういう点が変わったらこの方針を変更するかを具体的な見極めポイントを盛り込むことで示した。(稼働率、インフレ率、インフレ期待)

11月のFOMC
住宅ローンの貸付を促進し、住宅市場を支援するため、そして信用市場全般の状況を改善すべくFRBは総額で1.25兆ドルのエージェンシーMBSと1750億ドルのエージェンシー債を購入する。エージェンシー債の購入金額は以前、公表した2000億ドルより若干少ないが、現在の買い入れペースに沿ったものであり、比較的売り物が少ないことを反映している。

9月のFOMC
住宅ローンの貸付を促進し、住宅市場を支援するため、そして信用市場全般の状況を改善すべくFRBは総額で1.25兆ドルのエージェンシーMBSと2000億ドルのエージェンシー債を購入する。

11月のFOMC
家計部門の支出は拡大しているようにみられる。しかし失業率の高さや所得の伸びの低さや家計部門の資産の目減りや信用市場の緊縮を反映して伸び悩んでいるようにみられる。

9月のFOMC
家計部門の支出の減少は止まったように見える。しかし失業率の高さや所得の伸びの低さや家計部門の資産の目減りや信用市場の緊縮を反映して伸び悩んでいるようにみられる。

2009年10月31日土曜日

『バロンズ』機関投資家意識調査09年10月⑤







『バロンズ』機関投資家意識調査09年10月④







『バロンズ』機関投資家意識調査09年10月③







『バロンズ』機関投資家意識調査09年10月②







『バロンズ』機関投資家意識調査09年10月①







『バロンズ』機関投資家意識調査
ダウ工業株価平均指数の今年年末のターゲットとしては10187がコンセンサスになっている。来年6月末のターゲットは10771である。多くの機関投資家はハイテク・セクターに強気であり、これを反映して来年6月末のナスダック総合指数のターゲットのコンセンサスは2371となっているこれは現在の水準から15.9%上昇すると予想していることになる。
しかし機関投資家の8割は現在の株式市場の水準が既に「適正ないしは割高」に達してしまっていると考えており、春先に行った前回の調査のときの、44%より大幅に増えた。
回答者の約半分が大きな調整もありうると考えており、その場合、キャッシュが最も安全な避難場所であると回答した者が46%だった。
今回の調査のもうひとつの特徴は海外市場が米国株をアウトパフォームすると考える機関投資家が極めて多かった点である。米国株が海外株より良いと答えたものは全体の28%に過ぎない。この反面、49%がエマージング・マーケットを選好している。アジアの先進国(=日本など)を好む投資家は19%だった。アジアに強気な投資家は60%、ラテンアメリカに強気な投資家は54%だった。

2009年10月28日水曜日

2009年10月24日土曜日

アメリカの覇権終焉なら過去に何度も訪れています


クイズをひとつ。
上の絵はいずれも『タイム』の表紙です。
さて、それぞれの表紙は何時のものでしょう?
   ■   ■   ■
僕がアメリカに来たのは1987年のブラックマンデーのショックがまだ収まらない、1988年です。
日本株(1年しかやりませんでした)から外国株に鞍替えするにあたって、最も心配したことは「アメリカは大丈夫か?」ということです。
当時は『ジャパン・アズ・ナンバー・ワン』全盛期でしたから日本株を止めてアメリカ株を始めるのは「負け犬がやること」でした。外資に勤めるのはアウトローとまでは言わないまでも(あいつは卑劣な奴だ)というツンツンした風当たりを感じたものです。
でも終末論が蔓延する中でアメリカはだんだん調子を取り戻して行ったのです。
当時に比べればいま日本で「アメリカ終末論」を展開している皆さんは一体、どういう根拠でそれを主張しているんでしょうかねぇ?
少なくとも1989年頃は日本人は札びらでアメリカ人の横っ面をひっぱたきながら、「ホレ、コノヤロ、文句あるなら言ってみんかい?ロックフェラーセンターだって買っちゃうぞ!」と凄む事が出来たわけです。
僕はそれ以来、覇権云々の議論には一切、耳を貸さないことにしました。
クイズの回答:
上左 1982年2月8日号
上右 1975年7月14日号
下左 1972年3月31日号
下右 1998年9月14日号


2009年10月14日水曜日

ゴールドマンが「M&Aは増加する」というレポートを出した





別にGSに指摘されるまでもなくM&Aはレーバー・ディ明け以降、ピックアップしています。
特にハイテク・セクターは業界全体として負債が低く、キャッシュがドカーンと積み上がっています。だから今日のスタレント(STAR)の買収みたいなことが起こるわけです。

僕の考えではハイテク・セクターは向こう1年くらいの間にガンガンM&Aが出ると思います。

2009年10月11日日曜日

銀行セクターの決算予想

今週は米国の主要銀行の決算が相次ぎます。
上のグラフは過去90日の間にコンセンサス予想がどうシフトしたかを示したものです。
シティ、バンカメ、モルスタに関してはコンセンサスの数字は下がりました。
JPモルガンの数字は若干上がっています。
際立ってコンセンサス予想の上方修正が大きいのはゴールドマンです。

各社の現在のコンセンサスは:
シティ ▼21¢
バンカメ ▼7¢
モルスタ 3¢
JPモルガン 49¢
ゴールドマン $4.24

2009年10月8日木曜日

EPSの上方修正が始まった 決算発表のハードルが高くなる

(出典:ビスポーク)
ビスポークによると過去4週間のアナリストのEPS予想の修正は上方修正が多かったそうです。最近のドル安が米国の企業業績の見通しにプラスに働いていることは間違いありません。
ただ、こうやって事前のエクスペクテーション(期待)が高くなるということは、期待通りの数字が入ってこなかった場合、落胆の原因ともなります。
もうすぐ決算シーズン。このへんを注目してゆきたいと思います。