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2008年10月20日月曜日

アメリカ人の起業家精神

下の子の学校の秋の学校祭が今週末行われます。その準備で昨日は子供の学校に出かけ、アトラクションの設営を父兄総出でやりました。「眠れる巨人」とか「ケーキ・ウォーク」とか「アーサー王のカフェ」とか、そういうセットを次々に立ち上げてゆくのです。

このフェアは毎年行われているので父兄は皆、顔見知りなのですが、久しぶりなので梯子の上でパワー・ツールを操りながら、お互いの近況報告になります。

僕:「ティム、『デス・スター』(オラクルのこと)の居心地はどうだい?」
ティム:「うん、実は辞めることにしたよ。いま希望退職を募っているからちょうど良い時期だ。」
僕:「なるほど。それじゃ暫く骨休みするのかい?」
ティム:「いや、会社をはじめようと思うんだ。3Dのクラウド・コンピューティングはどうだろう。」
僕:「そりゃ面白いアイデアだな。」
ティム:「お前、VCに昔のつてがあるんだろう?」
僕:「もうずっと昔の話だけど、、、幾つか心当たりはあるよ。」

良くシリコンバレーではベンチャー起業を目指しているアントレプレナーがレストランでナプキンに新しいビジネスのアイデアを書きつけるというクリシェがありますが、ティムは校庭のベンチに座るとそこらへんにあった紙切れにビジネス・モデルを図解しはじめました。すると他の父兄もその周りに寄ってきて、、、

ポール:「そこの部分はアウトソースした方が良いと思うよ。ティムの得意なのはレンダリング・アルゴリズムなのであって、サービスのホスティングじゃないからね。」

とか

リック:「ハードウエアについてはパートナリングでグラフィック・チップの会社かなんかからイン・カインド(実物供与)の支援を貰ったら、どうだい?」

とか、続々外野から意見が出るのです。気がついてみると人垣が出来ている、、、
みんな学校祭の設営を忘れて起業アイデアのビジネス・モデル談義に熱がこもっているのです。

(これが日本だったら、、、こんな風な会話になるかな?)

僕はふとそう思いました。

10 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

「今度は、こんな同人誌を発行しようとおもうんだ。」って話なら、あるかもね。

フラウボウ さんのコメント...

踏み上げさんのこういうお話、とっても面白し、大好きです。もっとよもやま話、聞かせてください。

日本ではまずありえないと思います。
アメリカの全ての地域がこうではないと思います。
踏み上げさんの住んでいるところの土地柄でしょう。でもそれが資本主義ですね。

親戚(義兄)に中国人がいて約十五年前に国費留学で日本の大学に来ていました。中国に帰り中央政府で働いた後、その時の仲間で不動産開発の会社(もともと電機メーカーでした)を作りました。
2006年に僕が北京に行った時こう言われました。

「本当の資本主義を見たければ中国に来い、本当の社会主義を見たければ日本に行け!」

かつて共産党の幹部だった彼の一言は
日本人の僕にはずっしりと重かったです。

匿名 さんのコメント...

The truth behind the Asian fairy tale
By David Pilling
FT:October 15 2008


Japan, sometimes called the only socialist country that works, may actually turn out to be the last bastion of capitalism.

RootBeer さんのコメント...

凄いッスね。日本じゃまずあり得ません。それも場所が学校って。。。日本の学校で起業とか金儲け(これは今回の話からはちょっとずれるけど)とかって日本の学校では御法度です。実は私、高校教師ですが、学校で株の話をしてるのは僕と野球部の監督ぐらいです。(笑)

月の中で孤独 さんのコメント...

いつも楽しく拝見させていただいています!


(^^)すばらしい!!

アメリカ人の親の世代からエネルギーを感じました。
なにげない日常に、なにげなく出てくるフロンティアスピリットに嫉妬します。
しかも、なにげに会話に参加している人は、その起業の会話を楽しんでる感じがします、自分のことのように。
自信を無くした親の会話ではないですよ!
日本では極少数の人達の会話です。(;;)

僕も踏み上げ太郎さんの、こういうなにげない日常の出来事の記事がとっても好きです。
とても参考になりますし、なにより希少です。

僕自身の、今後の世界経済の見通しにも変更をくわえる可能性が出てきました。
やっぱりアメリカ人はエネルギッシュだなぁ……(^^)v

はくつる さんのコメント...

火星にまで人を送り込もうとする人々は違いますね。いつかアメリカに行って、彼等の開拓精神に触れてみたい。

日本の地方公務員になる話や厚生年金支給額の話には飽き飽きしました。

るる さんのコメント...

 アメリカは素晴らしくて、日本はひどいというような浅薄な比較論議にはうんざりですが、踏み上げさんがおっしゃりたいのはそういうことではないと思います。

 コミュニティの構成員が知的レベルでスクリーニングされていない場合、ビジネスにフォーカスして洗練された会話が成立する見込は、全世界どこであっても低いのではないでしょうか。つまり、彼我の差ではなく、踏み上げさんのお子さんが通っていらっしゃる学校は、成功している家庭の子弟が多く通う学校なのではないかと愚察します。

 しかし、日本の進学校に通う保護者のコミュニティで、同様の会話が成立するのか、というと、これもまた難しいかもしれませんね。日本での成功と、アメリカでのそれの必要条件はだいぶ違うわけで、日常的に起業に関連したアンテナが磨かれる日本人は少ないように思います。

 一方で、起業に関連したコミュニティでは、知的レベルでのスクリーニングが効かないので、これまた玉石混交であったりします。これは私の数少ない経験から、そう感じているだけで、素晴らしいコミュニティもあるのでしょうけれど・・・・。

 という状況を踏まえますと、起業に関してそれなりに実効力のある提案・意見が聞けるコミュニティが、子供を通して確立できるアメリカはいいなあ、ということになるかと思います(笑)。

踏み上げ太郎 さんのコメント...

皆さんコメントありがとうございます。

このエントリーは子供の学校から帰ってきて衝動的に書いたものですから、別に深い考えはありません。

でも僕が例えば日本で子供の運動会に行ったとすると「希望退職に応募して会社を辞めます」ということを先ず他のお父さんに打ち明けるのがちょっとしんどいかな?と思うのです。

それがぜんぜんサバサバしていたので驚きました。

もっともここに書いたティムの場合、過去15年くらいの間にインフォーミックス→サンマイクロシステムズ→オートデスク→イントゥーイット→BEA→オラクルと、どんどん会社を替わっている(首になっている)のです。

彼の場合、もう60歳近いですからかなりシニアな部類に入り、そのぶん、被弾率も高いのかも知れません。

まあ照れたりいじけたりせずにしゃあしゃあと身の上を語れる背景にはそういう激しい転職という「免疫」があることも関係していると思います。

話の輪に加わった他のお父さん達も、皆、自分で会社を立ち上げたり、ベンチャー企業の雇われ社長を務めたけど、うまく行かなくて会社が廃業においこまれたりとか、そういう意味では免疫のある連中ばかりです。

あとアメリカでは会社立ち上げようとして失敗してもそれを恥ずかしいと誰も思わないし、むしろ一生ひとつの会社に勤めている人は「あの人は面白くない人だ」と逆に見下すような雰囲気があることは事実です。(アメリカの場合、エスカレーターのように時間が経てば社内で地位がだんだん上になるということは稀です。どんどん転職した方が断然、早く上に行けます。)

そういう環境もあって、ハイリスク・ハイリターンを目指す風土みたいなのがあるのではないでしょうか?。

匿名 さんのコメント...

しかし、最近の新規上場数って、日米で大差ないのね。


新規上場、日米で激減…株急落で資金調達困難
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081019-OYT1T00618.htm

TRM さんのコメント...

以前、某カタカナ生保に勤務していましたが、新規採用者の転職回数に制限(3回以内だったかな?)を設けていました。
採用する側もされる側も全員中途採用者なのにね 笑