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2008年11月21日金曜日

CFD事始 ④IGグループの決算アップデートから何を学び取るべきか?




昨日ロンドン証券取引所に対してCFD業者のIGグループが11月30日〆の決算の見通しに関するアップデートを提出しています。長い書類なのでほんのさわりの部分だけを抄訳します:

ハイライト
・ 全体に営業成績は好調だった。
・ 新規口座開設、顧客売買回数、売上高、税引前利益はすべて過去最高。
・ 売上高は1.25億ポンド程度になる見込み。(上半期は8600万ポンドだった。)
・ 税引前利益は5800万ポンド程度になる見込み。(上半期は4800万ドルだった。)
・ 10月の顧客売買回数は急増した。
・ しかし「回収できないかもしれない顧客債務(Doubtful debt)が1500万ポンド発生した。
・ 国際事業部は素晴らしい成績を残した。前期比+85%成長。グループ売り上げ全体に占める比率は14%になると思われる。

10月のトレード状況について
10月は極めてボラティリティーが高かった。先に述べた「回収できないかもしれない顧客債務(Doubtful debt)」のうち8割は10月に発生した。
これらの「回収できないかもしれない顧客債務」の大半はごく一部の顧客ベースで発生したものである。とりわけRBS(ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド)ならびに(FT100などの)主要株式指数CFDが債務発生の原因になる取引だった。10月を除けば顧客債務発生状況は売上高の2%程度であり、ノーマルなパターンと変わらなかった。

【解説】
CFD取引をはじめようと検討している読者の皆さんも多いことかと思います。口座開設やトレーディング戦略を考える上で英国のCFD大手IGグループの決算ディスクロージャーはいつくかのヒントを我々に与えていると思います。

先ずビジネスとしてCFD取引が非常にブームになっていることがわかります。しかも顧客の売買はマーケットのボラティリティーが高くなるに従って増加することが読み取れます。それと同時に「回収できないかもしれない顧客債務(Doubtful debt)」も急増したことはとりわけ我々の興味をそそります。この「回収できないかもしれない顧客債務」というのは個人投資家がCFD取引でポジションを建てて、自分の思惑より反対にマーケットが動いたのを放置したことで証拠金より多くの損が出てしまい、それを支払えなくなった「焦げ付き」のことです。焦げ付きはとりわけ株価の急落したRBSで多く発生したようです。

我々はこのディスクロージャーから何を学ぶべきでしょうか?

私の考えでは通常、FXなどをトレードし馴れた方でも「個別株のボラティリティーはFXより遥かに大きいので気をつけろ!」という事です。またS&P500指数などの株式指数CFDのボラティリティーも為替のボラより遥かに大きい筈です。

CFDのゲームは如何に負けを小さくするか?が勝負です。ここで巧拙が出ます。レバレッジがありますから、勝ったトレードはほんの一呼吸、粘って値が伸びるに任せればムリしなくても満足のゆくリターンが得られます。極端な話、10回のトレードのうち7回負けて、3回しか勝たなくて良いのです。ストップ・ロス・オーダーを必ず用いて一回の負けの金額を厳格に管理できればトータルではそんなにひどい事にはなりません。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...
このコメントはブログの管理者によって削除されました。
匿名 さんのコメント...

世の中には色んな人がいますね。