☆ ☆ ☆

2009年1月22日木曜日

勢いに乗るETF

上のグラフはインベスターズ・ビジネス・デイリー(IBD)に掲載されたETFの運用資産残高(10億ドル、左の数字)と本数(右側の数字)のグラフです。運用資産残高が減っているのはETFの人気が衰えているからではなくて、相場が安かったからです。

トリムタブスによると去年アメリカの投信業界は初めて新規資金の流出(▼2250億ドル)を見ました。その一方でETFは1400億ドルの新規資金の流入を見ています。

なぜ投信は売れなくなって、ETFに資金が流れているのでしょうか?

ひとつの理由はコストです。それぞれの商品の買い方にもよりますが、たいていの場合、投信よりETFの方が個人投資家にとってコストが安いです。

次に運用の透明性という面からはETFの方が投信商品より優れています。最近のようなボラティリティーの高いマーケットでは「勝手な銘柄を組み込んだり、へんに運用にバイアスをかけて欲しくない」と考える投資家が増えているのです。特定のインデックスをなぞるETFを数銘柄自ら選定することで、個人投資家が自分のポートフォリオを「完全にコントロールできる」点がウケているわけです。

また、ETFは取引所でトレードされているので「ザラ場」に自分のイメージ通りの値段で買えます。でも投信は一日一回提示される基準価格でしか買えないし、その基準価格がその日のマーケットの動き、個人投資家が捉えようとする投資機会を上手く具現化できるか?と言えば、それは「ファンドマネージャーの気分次第」ということになります。

そういう他人に運転を任せるのにホトホト嫌気がさした投資家がETFを選んでいるのです。

ETFは既にアメリカの株式市場の一日の出来高の43%を占めるに至っています。近い将来、ETFの出来高が普通株の出来高より多くなることはほぼ確実です。

日本の投資家に必要なETF
さて、いま日本の投資家に必要なETFはベア型のETFです。これほど苦しい相場が続いているのに、市場の下げから個人投資家のポートフォリオを守る最もベーシックな商品すら扱われていないというのはどう考えてもおかしいと思います。

アメリカではベア型ETFは大人気ですし、多くの個人投資家がこれにより救われています。

また2X、3Xというウルトラ・ベア型ETFもチョッと自分のポートフォリオをダウンサイド・リスクから守りたいとき、「保険の代わり」に買うことで「夜、安心して寝られる」ということで今ではバフェット型の長期バリュー投資を目指している個人投資家にも当たり前のように利用されています。

0 件のコメント: