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2009年2月18日水曜日

バリック・ゴールド(ABX) 世界最大の金鉱株


バリック・ゴールド(ABX)は時価総額で世界最大の金鉱株です。埋蔵量、生産量でも世界最大です。
この会社は実は結構若い会社で、創業者で80歳にしていまだに会長を務めているピーター・ムンクの采配で急成長しました。
ピーター・ムンクは財務的なことにたいへん明るく、高度なファイナンスを駆使してキャッシュフローを温存し、機会を見て果敢な買収を繰り返しバリックを巨大企業へと発展させました。

同社の主力金山はネバダ州のゴールドストライクです。バリックは産金会社で唯一Aレーティングのバランスシートをしています。また生産活動をするために必要な資金は長期に渡って確保済みです。だから最近の信用緊縮は関係ありません。

同社の資産の分布は上の円グラフのようになっています。アメリカ、カナダ、チリ、オーストラリアなど、比較的政治的に安定している国を中心としたポートフォリオになっています。

バリックのゴールドの生産はどちらかと言えば頭打ちです。これはバリックだけでなく多くのほかの金鉱株にも見られる共通の現象です。皆さんに理解して頂きたいことは金鉱株のストーリーは生産高の増加ではなく、価格の増加であるということです。

下のグラフはバリック・ゴールドの採掘コストと販売価格です。この採掘コストは各社によって若干計算の基準が異なります。ここで注目して欲しいのは販売価格も当然伸びているけど、コストも結構、急上昇を見せたということです。これがバリックに限らず、産金会社全般の業績を圧迫しました。しかし今年はこの操業コストがぐんと下がってくると見ています。

産金会社、とりわけ所謂、露天掘りを主にする企業にとって一番大きな支出項目はディーゼル、鉄鋼、そしてトラックのタイヤの値段を決める天然ゴム価格です。

さて、金鉱によっては銅も同時に産出する場合があります。すると金を掘り出すコストの一部は同時に出た銅を売却することで穴埋めできます。従って、金と銅が同時に出てくる金鉱はそれだけゴールドの生産コストが安くなるのです。従って、最近の銅価格の下落はそのような金、銅、併産型の鉱山にとっては不利になります。バリックの金山では銅も出るところがありますけど、この比率はそれほど高くありません。




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