ミリコム・インターナショナル(MICC)は発展途上国専門の携帯電話オペレーターです。
「新興国の発展を素直に買いたい!」そう考える投資家の皆さんに僕がしばしばアドバイスすることは「それなら携帯電話の会社を買うのがいちばん手っ取り早いんじゃないですか?」ということです。なぜなら携帯電話は生活に余裕が出来た人が最初に買いたい商品だからです。これは世界のひとびとに共通する願望ですね。
しかしBRICs諸国のここ数年の素晴らしい経済成長でそれらの国々における携帯電話のぺネトレーション(=普及率)はかなり上昇してきました。一通り携帯電話が国民の大半に行き渡ってしまうと、それらの銘柄の投資ストーリーはとたんに複雑になってしまいます。
その理由は過当競争からARPU(顧客平均単価)が下がったり、チャーン(ユーザーが携帯電話会社を乗り換えること)が上昇したりするからです。
また成長率そのものも落ちますから、成長が鈍化しつつある企業の妥当バリュエーションをどの辺りに置くか?という価値判断の問題が出てきてしまいます。もっと平たく言えば、「グロース・ストックとして評価するのか、それともバリュー株として評価するのか?」という問題が生じるわけです。
このところ例えばチャイナ・モバイル(CHL)のようなピカピカの企業でもなんとなく株価に冴えが無いのは、そういう踊り場に来ているからではないかしら?と感じるのです。
その意味では中国のみならず、例えば携帯の都市における普及率が100%に達したロシアなどの携帯電話会社も同様のバリュエーション上の問題を抱えています。
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さて、世界にはまだまだ成熟市場とは程遠い携帯市場も多く存在します。それは発展途上国や低開発国の携帯市場です。このマーケット・セグメントに特化してがんばっている多国籍企業にルクセンブルグのミリコム・インターナショナル(MICC)があります。
ミリコムは:
中央アメリカ
グアテマラ
ホンジュラス
エルサルバドル
ニカラグア
コスタリカ
南アメリカ
コロンビア
ボリビア
パラグアイ
アフリカ
タンザニア
コンゴ
ガーナ
ルワンダ
チャド
セネガル
モーリシャス
アジア
ラオス
カンボジア
スリランカ
などで携帯事業を展開しています。昔はパキスタンやベトナムでも携帯事業を展開していましたが、それらの市場での携帯電話事業は売却しました。なぜならベトナムなどはミリコムという会社にとってはすでに発展しすぎているからです。そうやって高値で携帯事業を売却した資金を、今度はもっと低開発国へと再投入する、、、こんな投資を繰り返してきたわけです。
直近のミリコムの決算を見ると売上高面では世界景気の鈍化や新興国通貨の下落の影響を受けて苦しい状況です。現地通貨ベースではアフリカが+25%、南アメリカが+16%とまだ成長しています。
全社での加入者成長率は+29%程度です。今期のEBITDAマージンは2%程度改善しています。また今後はひきつづき経済が低成長するとの仮定のもとに設備投資も絞り込みます。
PS:オンライン証券ではミリコム株の扱いのあるところはありません。大手総合証券なら委託注文を受けると思い増す。またCFDでミリコムの取扱がある会社は:
ひまわり証券
SVC証券
FXオンライン
の3社です。
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