ドットコム・ブームを経験した人なら、ストラタコムやアッセンド・コミュニケーションズやジュニパー・ネットワークスが最初に登場したときの興奮を覚えていることと思います。それらのネットワーク機器の会社を彷彿とさせる企業が登場しました。それがスタレント・ネットワークス(ティッカー:STAR)です。
スタレント・ネットワークスは携帯電話会社がマルチメディア・サービスを強化する際に導入するモバイル・ゲートウエイを作っています。同社の製品は無線ネットワークとインターネット・インフラストラクチャーの中間に配置され、高容量、スループット速度が速い上にパケット・インスペクションができるところが特徴です。
最近発表された第1四半期の決算では売上高は前年同期比+30%の7300万ドル、EPSは17¢でした。またグロス・マージンは80.9%でした。今回マージンが特に高かったのはソフトウエアの比率が高かったからであり、これは今後下がる見込みです。
また今期は税率が前期の3%から30%に増えているのでボトムラインを比較する際はノンGAAPの数字を見る必要があります。今期のノンGAAPのEPSは22¢でした。
携帯電話会社におけるデータ・サービスの売上高は今、年率40%で増えています。マルチメディアのトラフィック自体は毎月10%程度のペースで増えています。これに対して多くの携帯電話会社はいまだに2.5Gのシステムを使っており、3Gへの投資は未だ控えています。2.5Gのインフラは効率が悪く、それを使う限り最終的には沢山の機器を投入しないといけなくなります。スタレントの機器を導入することで効率的なネットワークを作る事が出来ます。
スタレントの顧客の約3分の2がCDMA、残りの3分の1がGSMです。このうちCDMAの顧客で3Gを導入済みのところが約3割、GSMの顧客で3Gを導入済みのところは1割程度です。
中国とインドはいまようやく3Gを導入しはじめています。
スタレントのバランスシート上には$5.19のキャッシュが載っています。
今年の売上ガイダンスは3.15億ドル、グロスマージンのガイダンスは76から76.5%。
営業利益マージンのガイダンスは26から27%程度です。
EPSのガイダンスは71から74¢です。(これは65~68¢から引き上げられています。)
スタレントは最近、ベライゾン(CDMA)の4Gネットワークへの採用が決まりました。これによって他社もスタレントを見る目が変わっています。現在、商談、引き合いは多く、金融危機の影響はみられません。
チャイナ・テレコムの売上は今年後半に計上されはじめられるとみられています。
スタレントの競合他社はエリクソン、ノキア、シーメンス、シスコ、ワーウェイです。
PS:なお同社は2年前にIPOされた比較的新しい上場会社なので取扱いがあるのはFXオンラインのCFDだけです。同社株はこのところ一本調子で上がってきたので少し割高だと思います。押し目を待ちたいと思います。
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