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2009年5月14日木曜日

一旦降りよう、工業コモディティー株








このところ工業コモディティー関連株に強気のスタンスを取ってきましたが、一旦、降りようと思います。

ちぐはぐなものを感じるからです。

どこにちぐはぐさを感じるか?というと中国の建設セクターに関してです。僕は皆さん知っての通り、中国の建設関連セクターには強気で来ました。いや、正確に言えば、「ここしか、買えるものはない」と感じてきたのです。別の言い方をすれば4兆元の大型景気刺激策のお金は案外中国の経済の隅々までは行き渡らず、建設業などの極めて限定的な分野のみがかろうじて恩恵に浴するというシナリオでした。

なので鉄鋼とかアルミとか銅など、ヘビー・シクリカルのところに集中的にポジティブなスタンスを取ってきました。中国以外の銘柄でも工業コモディティーはグローバルな性格を持っているのでこれに関連する銘柄は全てフォローの風が吹くと思ってきました。具体的には上にチャートを掲げた、スターライト(SLT)、サソル(SSL)、ナショナル・スチール(SID)、メチェル(MTL)が良いと思ってきました。

でも何となく中国の様子がヘンだと思うのです。

いま中国はメチャクチャ鉄鉱石を輸入しています。4月の数字は5700万トンにも上ったという報道があります。これはすごい数字です。でも活況なのはオーストラリアなどの海外の鉄鉱石の会社だけで、彼らは纂を崩したかのような値引き攻勢で安売りしているという話を聞いています。もう少し正確な言い方をすればイレギュラーな売り方が目につくということ。

買い手である中国の立場から言えば年間契約の交渉が思惑通り、安値での契約価格リセット出来なかった場合に備えて、いまから「備蓄」に走っている、、、そういう形容の仕方が一番ピッタリ当てはまるのではないでしょうか?

もちろん、4兆人民元の景気刺激策で今後忙しくなることへ向けての準備ということもあると思います。それにしても中国国内の鉄鉱石の業者は「輸入品にぶっ殺されている」と聞きます。また中国の陸揚げ港はどこも鉄鉱石の在庫が積みあがって満杯だそうです。つまり「カラ景気」に沸いているのは港の方だけだということ。国際間の荷動きという点では船種間での整合性がありません。(=つまり鉄鉱石を運ぶのに適した船種だけはなんとなくボトミングの兆しが見えるけど、、、他は駄目だということ)

一方、鉄鋼の最終需要の方はイマイチです。中国から海外への鉄鋼の輸出も激減しています。

このところの相場はアメリカ経済のリカバリーを屈託なく先食いしてしまった観があります。でも現実にはそんなに甘くはない、、、。今度景気に関してサプライズがあるとすれば、それはダウンサイドだと思います。工業コモディティーに関しては欲張らなくても一旦、はずして、年後半にもう一度入り直す好機があると思っています。

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