BPの『スタティスティカル・レビュー』が出ました。これはエネルギーをフォローするアナリストにとってバイブル的な存在のレポートです。以下はそのハイライト:
世界の確認埋蔵量は1.258兆バレル(但しカナダのオイルサンドを除く)→可採年数42年。
天然ガスの可採年数は60年、石炭は122年。
世界全体での一次消費の増加は+1.4%、その中で中国が増加分の4分の3を占めた。
先進国の需要は▼1.3%、その中で米国は▼2.8%と1982年以来最大の下落を示した。
石油
需要は過去27年で最大の落ち込み幅である▼0.6%(42万バレル)を記録した。
生産は+0.4%(38万バレル)の増加だった。増産は主にサウジアラビアとイラクからもたらされた。
ロシアの石油生産は1998年以来初めてマイナス(▼9万バレル)を記録した。
天然ガス
需要は+2.5%増加した。これは過去10年の平均成長率より低い。
国別では中国の需要が+15.8%と急上昇した。
天然ガスの生産は世界で+3.8%成長した。これは過去10年の平均成長率である+3%より高い。
石炭
消費は+3.1%で、これは過去10年の平均値より低かった。中国が世界全体の需要の43%を占めた。需要増加分の85%は中国からもたらされた。中国以外の地域の需要成長は+0.6%にとどまった。
なお、今回のBPの『スタティスティカル・レビュー』の内容を踏まえて『世界のエネルギー』と題したウエブセミナーを開催します。
BPの『スタティスティカル・レビュー』は足元のエネルギーの需給バランスを主に論じる資料です。ですから現在の需給関係についてはこれを参考にします。
一方、中・長期の展望についてはIEAの需要予測が有名です。ですからIEAの資料を使って長期の需給関係について考えます。
さらに石油に対し、天然ガス、石炭、原子力の占める位置や役割を比較するとともに個別企業についても触れます。
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