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2009年7月6日月曜日

インドの今年度予算は事前予想通り

インドの今年度予算が発表されました。

財政赤字幅はGDPの6.8%にとどまったので、事前の「ウィスパー」とほぼ同じでした。

格付け機関からのコメントとしてはS&Pは既に「予想通りなのでレーティングはいじらない」と発表しています。

予算の詳細に関しては未だ見ていません。でも農村地帯への財政撒布を強化する内容なのだそうです。このアプローチは正しいと思います。なぜなら今インドの農村は急速に生産性が改善しており、豊かになる道を歩み始めているからです。地方の銀行の小口預金(コア・デポジット)は30%以上のペースで増加しています。一方、貸付成長は20%程度です。ということはこの急激なローン成長をインドの地方銀行はコア・デポジット成長だけで余裕で賄えているわけで、農村地帯のデフォルト・レートなどに関しても内容は極めて健全です。

要するに政府が地方への金利補助金などの方法で投資をすれば、それが乗数効果を伴って生産性の向上に跳ね返ってきている、、、まあそういう極めてシンプルな構図になっているわけです。どんどん効率が改善し、どんどん生産性が上昇し、どんどん競争力が改善するなら、それは良い投資です。チャリティーではありません。

現在の財政赤字はしたがって「良い赤字」なのです。これがインドの置かれた状況と日本の赤字との大きな相違点です。

要するに経済成長があれば、後で税収は伸びるし、どれだけでも財政は立て直せるのです。明日のインヴァスト証券のセミナーでも少し喋りますが、過去の経験則では(アメリカの場合ですが)財政赤字拡大は買いでした。

なお、蛇足になりますが、インドは徴税基盤がまだまだ整備されておらず、これを整えれば政府が財政支出を増やすことに対するリターン(つまり増収)は格段に増えると予想されます。そのカギを握るのが国民皆ID制度の導入です。

インド株はこれからスピード調整の局面に入ると思うので、いま慌てて買う必要はありません。でももうしばらくすると「ごっつあんです」的な買い場が到来すると思います。

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