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2009年7月31日金曜日

ジム・ロジャーズのブルームバーグ・インタビュー

中国は外貨準備を積み上げたが、主に国内の投資先にお金を使い始めた。

これは基本的には良いことである。

マーガレット:中国での大型IPOが熱狂的なデビューをするなどバブルの兆候が指摘されるが、その点はどうか?

いまは中国株は一切、買っていない。その反面、これまでに買った中国株はぜんぜん売ってもいない。

最近で最後に中国株を買ったのは2008年の12月頃だ。すでに発車して動き始めた汽車に飛び乗ろうとするのは私のスタイルではない。むしろ相場が崩壊しているときに買い向かいたい。

中国の場合、今後、10年、15年先、いつかはわからないが「崩壊」に等しいことが起こるだろうし、その時まで買い出動するのは待っていても遅くはない。

今の中国の株式市場がバブルだとは私は言っていない。ただ、もう僕は買い増さないよということを言いたいのだ。(繰り返して言うと、売りもしていない。)

過去3か月ほどの間、不動産市場は凄く過熱していた。だから不動産もこれからは買いにくい。若し中国のストーリーに乗りたいというのなら、一番良い方法はコモディティーを買う方法だろう。

中国はコモディティーを買い続けないといけない。コモディティーを買うという面において、中国は弱い立場にある。なぜなら買わずに済ますことは出来ないからだ。だから中国はコモディティーを買ったらちゃんと支払期日までに耳を揃えてキッチリ支払をするし、あの手、この手で安くコモディティーを仕入れようとする試みも成功していない。市場価格を支払わされる羽目に陥っている。

マーガレット:リオチントの一件に関する政府の介入についてはどう思うか?それから穀物はどうか?

鉄鉱石などのハード・コモディティー、穀物などのソフト・コモディティー、それらの全てを私は買っている。

マーガレット:中国政府が融資の総量規制をやっているという報道についてはどう思うか?

政府が銀行に働きかけて融資を増やそうとするのは別に中国に限ったことではない。アメリカでもやっている。中国の場合、融資の一部は直接株式市場に行き、あるいは不動産投機に向かったと聞いている。

マーガレット:すると中国経済の復活というのは政府の融資などによる人工的なもので、本当の回復ではないのか?

中国経済の多くの部分は本当に好調だ。たとえば水処理の分野はすごく需要が強い。なぜなら汚水の問題はとても深刻だからだ。スモッグもひどいので環境関連のビジネスの商機は大きい。インフラや農業の再建なども重要課題だ。

中国の農家へは諸々の奨励振興策が施されている。だからこの分野は投資機会が多い。そのような分野は世界がどうなろうと一定の需要がある。

マーガレット:中国の消費者に対して、ガイトナー財務長官が「もっとお金を使った方が良い」と社説で論じている点についてはどう思うか?

ガイトナーは過去15年間、やることなすこと全て間違ってきた。今頃、中国人に向かってああしろ、こうしろと要求するのはおおきなお世話だし、よくそんなことをする度胸があると思う。既に中国の消費者は消費をやっている。中国では貯蓄したお金を皆が使っている。アメリカでは借金したお金で消費している。間違っているのはアメリカのほうだ。

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