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2009年10月21日水曜日

日本のモノ創りは朽ちつつある リソグラフィーの世界での日本勢敗退は「スプートニク・ショック」くらい重要なことだ

こういう事を書くと読者の皆さんから袋叩きに遭うかも知れないけど、日本でダメなのは政治家だけじゃない気がするのです。

日本が得意中の得意とする、付加価値の高いモノ創り、、、その大事な分野での日本のリードが失われつつあります。 (ここでは新技術の話をしているので、敢えて「創」の字をあてました。)

半導体製造装置の世界を例にとると、数ある製造装置の中でもとりわけ難しく、従って付加価値も高い分野がリソグラフィーです。

この分野は昔はニコンとかキャノンの独壇場で、グローバルに見ても彼らが「お山の大将」でした。セミコン・ウエストとかの見本市に行っても、それらの企業のブースをのぞくことは日本人としてのプライドで胸が高鳴る瞬間でした。

ところが最近はカッティング・エッジ・ツール(最先端装置)の世界でこれらの企業は跡形もなく姿を消している観があるのはどうしてでしょう?

液浸(イマージョン・テクノロジー=上の図参照)になってからニコンやキャノンは蚊取り線香を嗅いだ蚊みたいにポトポト落後しています。

以前は半導体作りで最も難しい、ステッパーで日本は世界の追従を許さなかったのに、、、

僕は「どーして呉れんのよ!コレ」と叫びたいです。

インテル(INTC)とかがビシビシに凄い決算を出してきている背景にはカッティング・エッジ・ツールの使いこなしという極めて日本的なカイゼンの努力の積み重ねがあります。ただ景気が戻ったとか、そういう話じゃないんです。

日本製のツールのシェアがどんどん落ちている事に、誰も警鐘を鳴らさないんですか?

2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

日本の経済評論家の多くは、米国人がいかに物づくりの才能があるかを実感していない輩が多いのが私も気になります。以前、バイオ関係の研究をしていたのですが、そこで使われている精密機器で抜群に使い勝手がよかったのは米国製でした。企業のトップに日本電産の社長みたいな人が増えれば日本も捨てたものではないのではと思う一方、ソニーのように無能なリダーを選び続けると職人は蒸発していってしまうのではないでしょうか。

広瀬隆雄 さんのコメント...

??さん

コメントありがとうございます。
半導体の生産はフル・マラソンを走るような持久戦です。

一度落後してトップ集団の姿が見えなくなってしまったら、それこそ「サラリーマンに一発逆転は無い」というのと同じで二度と返り咲けないと思うのです。

いまならまだ挽回可能だと思うので頑張ってほしいです。