アメリカ人が失業などにより住宅ローンが支払えなくなった場合、起こりうるシナリオについて書いてみます。
まず持ち家を売りに出し、その家の売却金額がローンの総額を上回った場合はめでたしめでたし。耳を揃えて銀行にお金を返せばよいわけです。
でも最近の住宅の値下がりで、家を手放しても、それにより得られる売却代金がローンの総額を下回るケースが続出しています。
その場合、破産宣告するという手がありますけど、実際問題としてはごく一部の無責任な人、あるいは状況的にとても切羽詰った人を除けば、たいていの人はなんとか銀行と話し合いをつけて解決しようとします。
それはどうしてかというと勤め人の場合、やっぱり破産宣告すると職場に知れたりするし、自分のクレジット・スコアを台無しにしてしまうので、将来、家を買えなくなってしまうからです。
また、金融関係に勤めている人なら、もうギョーカイに居られないと思うんです。
そういう仕事上の不都合に加えて、恋愛面でも問題がでます。アメリカでは「3回目のデートでベッドインする前に、彼氏のFICOスコア(クレジット・カード会社が使っている個人信用情報)を訊きなさい!」ということが真面目にアドバイスされているくらいの国ですからして、クレジット・スコアが悪いと、彼女をスコア(=「寝る」の隠語です)することもできない、、、(なんちゃって、駄洒落です。)
それでなんとか銀行と話をつけようとするわけですけど、先ずローン金額が完済出来るより下の金額で家を売る場合、一応、銀行のOKが必要だと思います。
次に不足額が発生(これをショート・セールと言います。なんだか株の空売りと紛らわしいけど、別物です)した場合、銀行と借り手が「痛み分け」する場合が多いのではないでしょうか?。
その場合、「不足した分は30年かかって毎月1万円づつ返します」とかの念書を入れるんですね。返済金額は全額の場合もあるし、不足額の中間点くらいで銀行と借り手が「折り合う」場合もあります。
個人の借り手は「僕はちゃんと正直に毎月お金を返しているから、クレジット・スコアを守ることができた」と思うわけだけど、実際にはそういう風にお金をちゃんと返してもショート・セールが成立した時点でFICOスコアはがた落ちになります。(知らない人が多いです。)
なお、家が差し押さえになって、銀行がその物件を押さえた場合でも、借り手は不足の金額が多ければ銀行が訴訟を起こし、裁判所に呼び出されます。銀行は大体、1000万円以上の穴が開いた場合はそうしていると思います。
9 件のコメント:
アメリカの住宅ローンは証券化+ノンリコースが大勢を占めるので、痛みやあきらめも早いが、立ち直りも早いと認識していたのですが…
踏み上げさん、これ、金曜の NY Times の丸写しじゃないですか。
こういう記事は、引用元を書いた方がよいですよ。
んじゃ、踏み倒せば良いの?
匿名さん
コメントありがとうございます。
そのNYタイムズの記事、僕も読みました!。
でもファイコの話とか出てないと思いますよ。
NYタイムズの記事僕も読みたいです
リンク貼ってください!
あいサン
ご質問ありがとうございます。
僕は踏み倒せば良いとは思いません。
なんだかアメリカ人は全員無責任みたいなステレオタイプで物事を考える人が多いのでこのエントリーを立てました。
借金に対する考え方というのはもちろんお国柄も出るでしょうけど、その人がどのジェネレーションに帰属するか?という世代の問題も大きいと思います。
ちなみに米国では1950年代くらいまでは借金を極端に嫌う風土があったと思います。
pazoorayさん
コメントありがとうございます。
いまアメリカ政府は不良債権買い上げ機構を設立する準備をしていますが、その機構で不良債権を買い上げても、長い間かけて徐々に売却していくことになりますから問題の根本的解決には時間がかかります。
またファニーメイ、フレディマックなども2011年くらいからは規模を縮小させてゆく計画ですので、これも需給関係には良くないと思います。
それらを断った上で、住宅価格自体は10月頃に最初の「底打ち感」が出ると確信しています。
踏み上げ太郎さん
いつも有益な情報を提供してくださってありがとうございます!(;;)
大きな流れはつかめました!日本と大きく変わりは無いと認識しました。
ファイコ(先入先出じゃなくw)FICOのお話もとても参考になりました!
>でも最近の住宅の値下がりで、家を手放しても、それにより得られる売却代金がローンの総額を下回るケースが続出しています。
……やっぱり(;;)
やっぱりそうなんだ……(;;)
こ…
これはまずい展開ですよ(;;)
米の景気は楽観視してはいけないッスね。
子供達の生活や、価値観はどうですか?
日本では景気が悪いからという理由で大学に進学したり(動機がおかしい、大学に逃げ込んでる。向上心からの進学では無い)、わざと留年したり、ニートやワークングプアとかの社会現象が若者に起こりました。
(特に、新聞やTVではニートやワープアの人たちを擁護するような記事や発言が多いですが、だまされちゃいけません。彼らとはなんども触れ合ったことがあります。彼らは甘えているだけです。弱者のふりをしてるだけです。)
根本的な問題は甘えさせる日本の社会です。
ローンが焦げ付き、マイホームを売り、返済が滞り、自己破産し、そして自信を無くした親たちは、子供を叱ったり、未来に希望をいだかせたり…つまり、子供を指導できなくなってしまいました。
自信を無くした親たちが結果として、甘えさせる日本を作ったと僕は思います。
もし、同じような現象が米でも起きているのなら(アメリカはそんな国じゃないと思いますが)、社会に出ない人間が増えることに起因して、個人消費に長く、本当に長く影響するのではないでしょうか?まるで日本のように。
自信を無くした親は増えていますか?彼らの心は立ち直っていますか?
蛇足ですが…
僕が買った家は中古です。築11年。
任意売却物件でした。
まえのオーナーはローンが焦げ付いた不動産会社社員さんでした。
ホントっすよ。
米の不動産も、やっぱり誰かが買ってるわけで……
誰が買ってるんでしょうか?
ロバートキヨサキかしら?
独身で一戸建て(;;)
俺、変人。
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