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2008年9月24日水曜日

ウォーレン・バフェットのバークシャー・ハサウェイがゴールドマン・サックスに出資

今日引け後のニュースでウォーレン・バフェットのバークシャー・ハサウェイがゴールドマン・サックスに50億ドル出資すると発表されました。

バークシャーはゴールドマンの発行する配当利回り10%の永久優先株を購入します。この永久優先株はゴールドマン側に資金の余裕が出来たら、10%のプレミアムで買い戻してよいという条項が付いています。さらにこの永久優先株にはバークシャーが今日の引け値より8%低い$133.20で50億ドル分のゴールドマンの普通株を買えるワラントが付いています。

ウォーレン・バフェットは1991年にソロモン・ブラザーズが米国財務省証券の入札の際、不正に価格を吊り上げたスキャンダルの際もソロモンの経営を安定させるため7億ドル出資した経緯があります。

私事になりますけど、あのときバフェットがソロモンに出資を決めた日はちょうど僕の上の子の出産の日で、徹夜した後、グリニッジ・ビレッジのセント・ヴィンセント病院の向かいのコーヒー・ショップで眠い目をこすりながらバフェットの記事を読んだ記憶があります。

あのときのバフェットの出資も投資家のコンフィデンスを取り戻すのに大きな役割を果たしましたし、バフェットとデリック・モーン(当時のソロモンのCEO)が一致団結してソロモンを再興して行った経緯もウォール街関係者なら鮮明に覚えているはずです。

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さて、ゴールドマンは今回のバフェットへの永久優先株のはめ込みと同時に25億ドルの普通株式を公募すると発表しています。

ここでこうやってちゃんと普通株の公募を抱き合わせにするところが、ゴールドマンが他の百凡の投資銀行とひと味もふた味も違う点です。勢いに乗れた瞬間にどんどん攻め込む、、、この呼吸はインベストメント・バンキング業務をやるものの鉄則です。

また、バフェットだけに出資を仰ぐのではなく、「バフェットと同じ日に俺はゴールドマンの公募を買ったんだ!」という既成事実を作ることは、一般大衆のコンフィデンス構築に計り知れないインパクトを持つのです。当然、20億ドル程度の公募はゴールドマンにとっては朝飯前ですから、瞬間蒸発で完売すると思います。その「買えなかった!」という人をわざと出すことが、アフター・マーケットでのゴールドマン株を煽ってゆく「渇き」を演出する上で重要なのです。

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

GSとMSはRTCへ資産売却して増資が完了すれば結構アグレッシブに動けるようになりそうですね。
問題は箝口令が敷かれているのではないかと思えるぐらいふれられていないCがどうなるのでしょうか。金融株の売り禁を30日延長できるとしたのはCの問題を意識してのものと思えるのですが。今日のアフターマーケットでも他の金融株と比べると反応悪いですし。

匿名 さんのコメント...

泥舟を補強しようと躍起になっている方々のリスク許容度に驚くばかり。
本当に儲けたいと思ったらこっそり投資すると思いますが・・・
数日前、バフェット氏はTVのインタビューで市況は益々酷くなる一方だと語っていらっしゃいました。
アメリカの三文芝居に投資家はいつまでつき合うのでしょう?

匿名 さんのコメント...

バフェットのジョークはズバリ!で笑っちゃいますね。GSのトロットは、数時間でバフェットから引き出したそうですね。長い付き合いだから、でも流石です。
ところで、ワラントの行使価格は$115と報道されてたと思います。