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2008年9月3日水曜日

nicolloさん、ご質問ありがとうございました

インテル(ティッカー:INTC)とAMD(ティッカー:AMD)の置かれている競合状況についてnicolloさんからご質問を頂きましたので、チョッと調べてみました。

先ずマイクロプロセッサー(MPU)市場自体は金額ベースで年率7%程度で成長しています。現在の市場規模は約350億ドルです。

次にMPUには大別してコンピュータ向けとエンベッデッド・マイクロプロセッサー向けがありますが、ここではコンピュータ向けだけに焦点を当てると金額ベースで見て、デスクトップがMPUの42%、ノートブックが40%、サーバーが18%のシェアになります。
去年の会社別のシェアはインテルが84%、AMDが13%でした。
(上のグラフを見ると市場占有率の数字が違うように見えますが、こちらはユニット・ボリューム・ベースです。→つまり金額的にAMDの売っているMPUは単価が安いわけ。)


インテルは配線幅で45ナノメターを既に実現、商業化に踏み切っています。一方、AMDはIBMと共同して45ナノメター・チップを開発していますが、今年末くらいに正式発表されると思います。

AMDは2005年にパフォーマンス面でインテルのMPUに勝る「オプテロン」を発表し、サーバーおよびノートブック市場でシェアを伸ばしました。AMDのユニット・シェアは2006年12月期に25.5%のピークをつけます。その後、インテルとの技術格差が縮まり、さらに逆転されたことで現在は約21%のシェアまで落ちています。

いま、PCの売り上げ全般について言えることはノートブックが好調だということです。インテルの場合、既に売上高の45%近くがノートブックからきています。一方、AMDの場合、ノートブックは30%程度しかありません。プロセス・テクノロジーでの遅れと併せて、これがAMDがMPUの単価を高く設定できない原因になっていると思います。

3 件のコメント:

nicollo さんのコメント...

早速の回答ありがとうございます。

AMDシェアは5%落ちただけなのに、株価は5年で1/5ですね。
いやー隔世の感がありますね。

ノートブックとデスクトップの単価の関係って、パソコンと携帯電話向けのチップの関係にも当てはまるのでしょうか?

「携帯向けのシェアが伸びてないからインテルは駄目」って言いそうですね。

広瀬隆雄 さんのコメント...

nicolloさん

インテルやAMDのMPU別の単価情報は会社側がかなり出すのを嫌がる情報です。でもユニット・ボリュームと売上高から逆算して、大体、おおまかな両者の価格差は出せると思います。

(今日は駄目ですけど、時間があるときに試してみます。)

匿名 さんのコメント...

秋葉原でのバルク品価格も、Intel>AMD、モバイル用CPU>デスクトップCPUの傾向は変わりませんね。もともとAMDはモバイル向けが苦手(TDPがやや高め)なので、UMPCも含めたラップトップ市場の拡大はつらいところでしょう。