アメリカのメディアの論調を見ても日本のメディアの論調を見ても、「金融安定化法案は失敗だった」とか「あれじゃ、当然、足らない」という意見ばかりですね。
でも未だ不良債権の買取は始まっていないのに、あたかもそれが既に失敗したように断定するのは早いんじゃないでしょうか?
75兆円といえば六本木ヒルズが278個立つくらいの規模なわけで、これは半端じゃない金額です。
もちろん住宅ローン関連証券の残高はそれよりもっと大きいけど、去年までは「トリプルAなんだから、ずっと抱えてればパー(額面)に戻る」とか皆言ってたくせに、そういう奴に限って「全然、足らない」とか言い始める、、、。
今回の不良債権買取機構の果たす重要な役割はプライス・ディスカバリー、つまり流動性が枯渇して誰も買い手の居ない証券が「ほんとのところは価値はどの辺なのよ?」ということを探り、その売買の成立する「通り相場」の価格情報を市場にシグナルするところにあるわけで、、、
いま皆が騒いでいるのはリーマンみたいな「倒産セール」でついた不自然な値段だけを見て「そこがマーケットだ」みたいな、、、。これってやっぱりおかしいと思うんです。
まあ、僕は株の人間で債券やデリバティブは素人だからして門外漢の単純な意見しか言えないけど、これが株なら六本木ヒルズ278個分の資金力でBIDを出してくる相手に売り向かうときは、よーく考えてから売るけどね。
いずれにせよ、もう少し財務省に時間をあげましょうよ。
本当に金融安定化法案が失敗だったかどうかを判断するのは、少なくともプライス・ディスカバリーしてからで遅くないと僕はおもいますよ。
8 件のコメント:
この法案、ブッシュ大統領の出身地であるテキサス州や、チェイニー副大統領の出身地(どこか知りませんが)の消費税が2年間無税になるってことが盛り込まれてるって聞いたんですけど、その真偽ご存知でしょうか?
>よーく考えてから売るけどね
僕なら何も考えずに提灯付ける(爆
僕も、そう思います。
論調、傾き過ぎ。
ヒステリー。
いつか見た事あるなあ、と。
何度も何度も。
gakkunさん
そうです。そのほかにも「ソーラー・パネルに補助金を出そう!」とか、金融不安の解消にまったく関係ない予算もチャッカリ忍び込んでいます。でもここがアメリカの素晴らしいところで、是々非々論で法案が通らないならプラグマチズムを発揮して、みんな抱き込んじゃえ!という風にして通過させたのです。
この馬力は日本も見習って欲しいと僕は日本人としてそう思いました。
あと本文で書き忘れたのですけど、オークションして政府が不良債権を買い上げてゆくと、その買い上げた分に関しては糞詰まりになっている資金が解かれるわけですから短期市場にも資金が還流しはじめます。
だから短期市場の金利が今高いから利下げした方が良いという議論は少し違うような気がするんです。
入札が始まれば次第に金利は下がります。
落ち着いてくるとは思いますが、だからといって気休めの記事を信じてしまう程勘は鈍ってはいない。2週間前の価格はもう戻ってこない。日本の金融資産が狙われている。
でもそれって踏み上げさんが以前指摘していた「クリスマス・ツリー化現象」そのまんまじゃないですか?
現時点で良いか悪いか分かりませんが、そんなやり方は日本では見習えないだろうなぁ。
で、これっていつから買取りが始まるんですか?
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