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2008年12月22日月曜日

フォーカス・メディア(FMCN)とシナ(SINA)が大きな事業再編成を発表

フォーカス・メディア(FMCN)が屋外液晶広告、ポスター・フレーム・ネットワーク、インストア・ネットワークの各ビジネスをシナ(SINA)に売却します。このディールの後、フォーカス・メディア(FMCN)はインターネット広告部門だけを継続します。

今回シナが買収するビジネスはフォーカス・メディアの総売上の52%、粗利益の73%に相当します。シナは買収代金として4700万株の新株をフォーカス・メディアに割り当てます。フォーカス・メディアはこの割り当てを受けた直後にそれらの株式を既存のフォーカス・メディア株主に分配する予定です。

詳細が分かればまた追記します。

【追記】
昨日は上の発表の後、シナも、フォーカス・メディアも急落しました。カンファレンス・コールを聞いてその理由を僕なりに考えてみたのですけど、下のような点が指摘できるのではないでしょうか?

シナが下がった理由
シナは今回の買収(キャッシュはゼロで全てシナの新株を発行することで賄われます)であらたに4700万株を発行します。問題はそれをフォーカス・メディアの株主にどさっと渡して、しかもその株にはロックアップ条項が付与されていない点です。フォーカス・メディアの株主は広告会社に投資するつもりでフォーカス・メディア株を購入したわけですからポータルの株(=つまりシナ)を急に沢山貰っても、困ると思うのです。それで少なからぬ投資家はシナの株が割り当てられた直後に場でそれを売り飛ばすことが懸念されるわけです。

もともとシナはキャッシュに不自由しているわけではありません。本来ならキャッシュでフォーカス・メディアのビジネスを買収しておいて、後で公募増資するのがオーソドックスなやり方ではないでしょうか?

今回のディールは買収手法や交換条件を考えたアドバイザー(=投資銀行)のアドバイスがサイテーだったと思います。

フォーカス・メディア株が下がった理由
今回フォーカス・メディアが譲渡するビジネスは売上高面でこそ全体の半分ですけど、利益の7割を稼ぎ出しているコア・ビジネスです。この虎の子の液晶広告部門を渡してしまうと、後は売掛金の回収に四苦八苦している、経営上の問題が山積みになっているインターネット広告部門がフォーカス・メディアの事業構成の大部分になってしまいます。つまり「売れ残り」のビジネスだけを抱え込む構図になるわけです。

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