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2008年12月24日水曜日

アポロ・グループ(APOL)



学校の株のパフォーマンスが良いです。
アメリカでは景気が悪くなって失業率が増えると学校の株が人気になります。それはどうしてかというと皆、仕事がみつけられないので専門学校などに入学してスキルアップし、景気が良くなるのを待つということをするからです。
実際、学校株はアメリカ株の197のカテゴリーのうち第2位のパフォーマンスです。そこで代表的な学校株であるアポロ・グループ(ティッカー・シンボル:APOL)を紹介したいと思います。

アポログループは1976年に経済学の大学教授だったドクター・ジョン・スパーリングが創業した会社です。ジョン・スパーリングは大学のゼミ生の課題研究として社会人の学習機会に関する調査を学生達と進めました。そこで発見したことは自分のスキルアップのために勉強しなおしたいと考える社会人は多いにもかかわらず当時の大学教育は高校から直接大学に進む若者だけを生徒として想定しており社会人のニーズをぜんぜん考慮していませんでした。
社会人で勉強しなおしたいと考える人たちは既に仕事の経験があるわけですから会社を辞めてまたゼロから大学に入りなおすというのではなく、実社会での経験も生かしつつ、自分の仕事も続けながらキャリア・アップを図りたいと考えていたわけです。ところが当時は夜に授業をやる大学は殆んど無かったのです。そこでジョン・スパーリングは自分でそういう社会人のニーズに応える大学を作ったわけです。それがユニバーシティ・オブ・フェニックスという大学です。

ユニバーシティ・オブ・フェニックスの校舎は普通のオフィス・ビルみたいです。それもそのはず大半のユニバーシティ・オブ・フェニックスはもともとオフィスビルとして建てられた建物に入居しているからです。社会人学生が大学のあるところまで行くのではなく、逆に大学がシリコンバレーなどの仕事場の近くに出向いてくるわけです。ユニバーシティ・オブ・フェニックスはあらゆる町に存在するわけです。

上のグラフはアポロ・グループの過去の一株当り利益、つまりEPS(手前の青です)と一株当りキャッシュフローを示したものです。
これをみて気がつくのは景気が悪くなった2000年くらいからアポロの業績がどんどん伸びたということなんですね。このように学校の株の業績は不景気になるほど良くなるのです。逆に世界の景気がガンガンに良かった2005年から今年(この会社は4月決算ですから2008年は4月で終わっています)までは業績は冴えませんでした。
でもいままた新規入学者数が伸びてきているので新しい教育ブームの第一年目に入ったといえるわけです。また最近アメリカで高等教育に関する法律が改正されて奨学金の枠の拡大などが実現しました。またGIビルという退役軍人さんの再教育への便宜なども拡大されています。こうした一連の法改正も同社にとってプラスでした。懸念点としてはスチューデント・ローン、つまり学資ローンが昨今の金融不安で幾分組み難くなっている点ですね。

この銘柄に投資する際の問題点としては既に株価が高値近辺にきているので割安感は無いということです。さらに若し景気が上向き始めていると投資家が感じれば学校株は人気セクターからはずれてしまうと思います。

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