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2009年1月25日日曜日

ETF誕生秘話 ④

例えばSPDR S&P500デポジタリー・レシート(SPY)の場合、「大豆は何キロ、小麦は何キロ、、、」に相当するのがS&P500指数そのものの銘柄構成比率になるのです。

つまりETFは必ず何かの指数を基にした銘柄構成になっているし、そこにファンドマネージャーの主観とか腕前の巧拙とかが入る余地は一切ないのです。いや、有り体に言えばETFのファンドマネージャーは倉庫の管理人のおじさんそのものです。だから荷を受け入れたり、保管品の搬出を許可する以外の権限は一切与えられていないのです。

良くウルトラレバレッジETFの値動きがその元となっているインデックスの動きと乖離していることを運用会社(=例えばプロシェアーズ)のファンドマネージャーの腕前が悪いからだと思い込んでいる人が居ますが、それが誤った考えなのは上の説明を聞けば分かっていただけると思います。

ETFとは、そういう小麦や大豆などが或る一定比率で保管されている倉庫の株式があり、それが株式市場で上場されているという風に理解すべきなのです。するとその倉庫が保管している商品の価値(Net asset value)よりETFの価格が割高や割安になるのは倉庫の管理人のおじさんの責任ではなく、割高で損であるにもかかわらず、それに頓着せず買い進む個人投資家に非があるのです。

つまらないETFファンドマネージャーの仕事
別の言い方をすればETFのファンドマネージャーは倉庫の管理人と同じですから、仕事としてはつまらないのです。でもトラックが荷を搬入したり搬出したりするたびごとにウエアハウス・レシート、つまり荷札を発行(=これをクリエイションといいます)したりキャンセル(=これをリダンプションといいます)したりするわけですから、それは米国の証券取引法(1940年取引法)では所謂、Continual offering(=けいぞく売り出し)という行為に看做されます。すると株式のIPOと同じように常にクウァイエット・ピリオド(緘口令期間)に入っているのです。

ETF運用会社が自社のETFに関して一切説明もしなければ教育もしない理由はそういうアメリカの証券法との絡みが影響しているわけです。だからお門違いの中傷をされても運用会社がその間違いを訂正することもしないわけです。

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