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2009年1月25日日曜日

ETF誕生秘話 ③

さて、「荷札だけをやりとりして、現物の大豆は倉庫から動かさない」というやり方は大変合理的なのですが、これで困る人も出てきます。

例えばトラックの運転手です。

彼らは荷を動かすことで生計を立てていますから、荷を動かさず、帳簿上の付け替えだけで処理されるようになると仕事が減って困るわけです。実はETFとウォール街の関係も全くこれと同じで、ETFで荷札のやりとりだけで済ませるようになると、以前のようにミューチャル・ファンド(=投信)がその組み入れ銘柄を全て買い注文、売り注文出すことで運用していた時に比べて株式委託手数料が減ってしまうのです。

金融関係者は先ずこれが気に入りませんでした。

次にETFのファンドマネージャーは倉庫の管理人にたとえることが出来ます。その倉庫の管理人は「大豆は何キロ、小麦は何キロ、とうもろこしは何キロ、、、そういう比率を崩してはいけない」という指示だけを受けているとします。するとトラックが来て、「小麦だけを持ち込みたいのだけど」とトラックの運転手に言われてもそれを許すわけにはゆきません。

「ウチはね、大豆は何キロ、小麦は何キロ、とうもろこしは何キロ、、、そういう割合でしか商品を受けてはいけないと社長から指示されているんだ。だから小麦を持ち込みたいのなら、大豆やとうもろこしも比率を揃えて持ってきてよ!」

そういう会話になるわけです。

(なお、難しいETF業界の用語ではこの比率のことをPortfolio Composition File(PCF)と言います。)

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