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2009年2月8日日曜日

ジェロン 


(出典:ジェロン)

ジェロンが話題になっています。
同社はシリコンバレーの真ん中にある、小さなバイオテクノロジーのベンチャー企業です。僕はもう10年も前に一度だけ訪問して話しを聞く機会がありました。そのときは正直言って(ちょっと早すぎるな)と感じました。

そのジェロンが最近、俄かに注目を集めています。その理由は世界で最初のES細胞を使った臨床試験をいよいよ実際に患者に対して開始することをFDAから認可されたからです。

上の絵はジェロンのホームページから拝借したものですが、脊髄損傷をどういう風に修復するかを示したフラッシュ・アニメーションで、とても簡潔にその仕組みが解説されていると思いました。

緑の皮膜に覆われた赤い線は神経細胞で、ちょうど電線のように脳からのシグナルをからだ中の筋肉に送信するケーブルだと思って下さい。

ところが交通事故などで脊髄が打撲したりするとそこが化膿して、緑の皮膜(それ自体も細胞なのですが)が剥げてしまいます。緑の皮膜が剥げた部分はインシュレーション(絶縁)ができなくなるのでシグナルが筋肉に届かなくなり、運動障害がおこってしまう、、、

まあ大体、そんな説明だったと思います。(詳しくはジェロンのホームページ上のマウス(ねずみ)のビデオを観て下さい)

さて、ES細胞を使った治療は夢の多い分野であると同時に賛否両論、意見の分かれる分野でもあります。(僕は倫理上、宗教上の理由からES細胞の研究に反対する人たちの懸念もわかる気がします。それと同時に脊髄損傷などでからだが不自由になったひとにとってこの研究が希望の光であることも納得できます。)

ただ上に紹介したジェロンのホームページ上のビデオを観れば具体的にES細胞の研究がやろうとしていることをイメージしやすいかなと思い紹介する気になりました。

なお今回の臨床試験のことに関しては別の機会に改めて記事にします。

それから強調しておきたいのですが現時点ではジェロンが今回臨床試験する「オー・ピー・シー・ワン」は薬効以前の、安全性確認(=フェイズ・ワン・スタディー)の段階であり、まだまだ長い道のりだという点です。慌てて株を買いに行かないように。

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