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2009年2月11日水曜日

ガイトナーのスピーチについて

ガイトナー財務長官のスピーチを聞きました。

先ず20分間、全くメモなどを見ず、まっすぐ聴衆の方を向いて丁寧に力強いスピーチをしたことが印象に残りました。

なぜそんな下らないことにイチイチ言及するかと言えば前任者が余りにもしどろもどろのオジサンだったのでその対比が強烈な印象を残したからです。

(おれたち、なんでいままであんな奴に財務長官をやらせていたんだろう、、、もっと早くに気がつけば良かったな。)

そう感じた国民はとても多かったと思います。

でもG証券出身という後光効果で誰も「いくらなんでもあいつはちょっと適任ではないんじゃないの?」という素直な感想が言いにくい環境であったことは確かです。

今日、マーケットが急落しているのはだからガイトナーへの不信任ということではなくて「Buy on dream, sell on reality.」という相場の定石どおりの展開だからだと思います。

さて、前任者の「陰」で小さくなっている必要が無くなったガイトナーは今日のスピーチで先ず徹底的に銀行の経営者を叩きました。ウォール街をかなりボロクソにけなしていました。

景気対策に関しては「一気に問題に取り組まないといけない」、日本の場合は「早くブレーキを踏みすぎた」ということを強調していました。また金融機関を助けるのは銀行の経営者を救済する意図でやるのではなく、消費者を助けるためにどうしても銀行が必要になるからだと説明していました。

さらに政府だけの独力でやるのではなく民間資金を導入する必要を強調していました。(これは政府の手に負えないほど問題が大きいことを認めたことに他なりません。)また市場や国民には明快なメッセージを送らないといけないし、FDIC、FRB、財務省など関係当局が一丸となって問題解決に取り組まないといけないと主張していました。

今後の景気支援政策の実施にあたってはそのプログラムの監督と統治が最重要であり、国民の税金がどう使われるかを透明に開示する必要があるとしました。また銀行経営者が不当な報酬を受け取れないように目を光らせ、ウォール街に関係するロビイストを排除すると宣言しました。

銀行には中身が健全かどうかのストレステストを実施し、資本が必要な銀行には注入すると発表しました。当初は5000億ドルからはじめて、ゆくゆくは1兆ドルを超える支援が必要になるだろうとの予想を発表しました。

また証券化(セキュリタイゼーション)のビジネスが復活しないことには米国のクレジット市場の40%が元に戻れないので、なんとかこのビジネスの復旧を試みる必要があると論じました。手始めに学資ローン、自動車ローン、住宅ローンなどから支援に乗り出す予定です。さらに中小企業への貸付が復活する必要性を強調していました。

最後に4月2日の「G20」で国際的な協力体制を話し合いたいという抱負を語っていました。

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このスピーチを通じてキャピトル・ヒルに居合わせた関係者全員の臓腑にじんわりと、しかし確実に伝わった共通認識は(これはたいへんなことになったぞ)という事です。

別の言い方をすれば今回の金融危機は1930年代の大恐慌時代に匹敵する大問題だということ。

今回の景気問題の重大さをそれ以下に「割り引いた」認識は全て間違っている、、、
ガイトナーのスピーチを聞いて米国民はそういう思いを強くしました。

これからはカンタンな応急措置や万能の特効薬や突然、天から救世主が舞い降りて自分達の苦境を救ってくれるとか、そういう甘い考えは一切通用しないことがハッキリしたわけです。

1 件のコメント:

nintama さんのコメント...

噛み砕くよう丁寧に説明していただき、ありがとうございます。
経済回復のタイミング、どの位の速さで上へ向かうのか、注視すれば大きなチャンスに変えられると、自分自身に言い聞かせてます。