☆ ☆ ☆

2009年3月5日木曜日

マインドレイ・メディカル(MR)は低成長時代に入る

マインドレイ・メディカル(MR)が第4四半期の決算を発表しました。
売上高:1.68億ドル(コンセンサス1.68億ドル)
EPS: 32セント(コンセンサス27セント)

今年通年のガイダンスは:
売上高:6.57億ドル(コンセンサス6.71億ドル)
EPS: $1.40(コンセンサス$1.25)

さらにCFOのジョイス・シュー(上の写真)が辞めると発表されました。

マインドレイの場合、垂直統合された中国の生産ラインにより比較的コモディティー化した医療機器をなるべく安く作り、それを世界中の病院やクリニックに売ってゆくというビジネス・モデルです。

従って海外売上もかなりの比重を占めます。最近、データスコープの患者モニター装置部門を買収したので海外比率は一層高まっていました。

しかし同社にとって重要な成長の牽引者である世界の新興国での医療機器の需要はここへきて見通しが激変しています。とりわけ最近の中欧・東欧の通貨不安でマインドレイのエマージング・マーケット事業のうちの約半分がぱったりと商売が止まった格好になっているのです。

中国国内のビジネスは今年も25から30%程度で成長すると見られています。これはパイ自体が20%成長程度ですので競合他社よりはアウトパフォームする計算です。

中国政府は景気テコ入れの一環として病院の整備、医療分野への支出の増額を発表しています。しかしこれはマインドレイをはじめとする医療分野のベンダーにとっては「痛し痒し」の面もあるのです。その理由は黙っていても医療機器は売れるのに、政府が音頭を取って集中購買すると、その買い付けはテンダー、つまり入札の手法になります。一般に入札だと価格競争が厳しくなり、折角、普通なら高いマージンが期待できるビジネスですら入札によりマージンが圧迫されてしまうのです。

別の言い方をすれば通常のビジネスと「喰い合い」になるというわけ。

そんなこんなで結論的には去年まで年々50%近くの成長率で伸びてきたマインドレイの売上ならびに利益成長は今年は20%程度に落ちます。

また尊敬されているCFOが辞めるというケースではやっぱり株を抱えていても良いことは少ないのではないでしょうか?

4 件のコメント:

春山昇華 さんのコメント...

そうですか、彼女(確か、元GS)やめますか・・・

広瀬隆雄 さんのコメント...

一応ボードメンバーとしては残ります。
僕は彼女の仕事を高く評価していますが、今日のカンファレンス・コールで誰一人彼女に「よくがんばったね、今後の成功を祈ります」という労いの声を掛けなかったのは、ハッキリ言って情けなかった。

(きっとアナリスト達は数字が下がってくる事に対して失禁するほどびっくりして、それどころではなかったのでしょう。)

春山昇華 さんのコメント...

国内ビジネスが、他社と比べればそこそこ明るくても、彼女のような先取の精神の人は「中央統制的な雰囲気の中で、ビジネスでやっていく」のは嫌なのもしれないですね。

Unknown さんのコメント...

MRだいぶ下げましたが
ここからさらに下げるとみていますか?