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2009年3月16日月曜日

CBS 『シクスティー・ミニッツ』がベン・バーナンキ議長に独占インタビュー その2


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A:「ことAIGの件に関してはなぜアメリカの国民が怒っているか私はとてもよくわかる。私も同じ気持ちだ。AIGはわざわざ監督当局の権限の及ばない場所を選んで営業活動を行ってきた。国民の税金がこの不届きな会社の救済につぎ込まれたのは残念だ。」

A:「9月に議会に対して大型の金融機関救済法案の承認を求めた時点では、正直言って世界の金融システムは崩壊寸前だった。つまりメルトダウンだ。」

Q:「その当時FRBは金融システムに巨額の流動性を注入しましたが、あれは国民の血税ですか?」

A:「いや、そうではない。FRBには信用を創造する権限がある。早い話が新しいお金を印刷したのと同じだ。」

Q:「国民はAIGに4回、シティに3回という風に何回も同じ金融機関に援助がなされるのをみて傷口に絆創膏を貼るようなやり方がなされていて、根本的な解決が先延ばしにされている印象を受けるのですが?」

A:「そうなった理由のひとつは危機が当初の金融システムの不安から経済全体の低迷という第二段階に入ってしまったので追加の注入が必要になったのだ。」

Q:「いま一番心配していることは何ですか?」

A:「それは政治家や国民に銀行の問題を解決しようというコミットメントが足らないリスクだ。」

A:「人々の信頼感を取りかえすには問題解決に関して前進していることを実際に見せることが一番だ。」

Q:「リカバリーの兆候を探すとすれば、どこを見ればよいのですか?」

A:「ひとつのリカバリーの兆候は大きな銀行が再び民間から資本調達できるようになることだろう。」

2 件のコメント:

Gakkun さんのコメント...

今まで悪い話ばかりだったのに、正常な状態に戻るという話が出てくるようになったことだけでも一歩前進したような気になります。

詳細な情報ありがとうございます。

インタビューが極めて異例というのがとても気になりますが・・・

広瀬隆雄 さんのコメント...

Gakkunさん

僕はバーナンキ議長がとりわけUPBEAT(強気)だったようには感じませんでした。

彼が心配していることは議会や国民が「銀行憎し!」の思いから政府に銀行救済をやらせないという決断を支持してしまうことだと思います。

リーマンの一件にしても言外に込めた含みとしては「俺は救うべきだと主張したけど、、、財務省がやらなかった」という意味の言い回しを使っています。

またインタビューの最後のところで「リカバリーの兆候を探るとすれば、どこを見れば良いですか?」という質問が出たとき、チョッと形相を崩して「銀行が独自で資本調達できるようになればね、、、」と言ったところが意味深だと思いました。

現実問題としては銀行が民間から資金調達する道はいまのところ完全に塞がれています。それに対する議長の諦観みたいなのがチラッとよぎった気がします。