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2009年4月16日木曜日

JPモルガン決算カンファレンス・コール スライド

1Q09 Investor Presentation
JPモルガンの決算はポジティブ・サプライズでしたが、これは事前に予想されていたことであり、それ自体には大きな意味はありません。
大事な点はジェイミー・ダイモンが「ウチは政府からの指示があるまでTARPの金を返済することはしない」と宣言したことです。
これは明らかにゴールドマン・サックスに対するあてつけ。
ジェイミーは「ウチは公募増資なんかやらなくてもTARPは返せる。でも今、それをやることが一国を代表する金融機関として正しいことなのかよく考えてみる必要がある」という意味のことを言っているわけです。
これにはゴールドマンも「一本取られた」印象があります。つまりJPモルガンは「白馬の騎士」的な善玉の役割、ゴールドマン・サックスはダース・ベーダみたいな悪玉の役割になってしまった、、、
もちろん、インベストメント・バンキングの極意はマネー・メーキングにあるわけで、誰が良い、誰が悪いというmoral judgementの入る余地はありません。ただボトムラインを気にする余りgoodwillというフランチャイズ・バリューを毀損しているという認識がいまのGSの経営者には欠落していると思います。
さて、それではジェイミー・ダイモンは政府にべったりで媚びへつらっているかと言えば、それは違います。
Q&Aセッションの中で:
Q: PPIPをどう思うか?
ダイモン:わが社はPPIPには一切、参加しない。もう金輪際政府からはお金は借りない(=PPIPは実質的に政府の融資を受け入れることになる)。前回のこと(政府のTARP資金をしぶしぶ受け入れたことを指します)で「学習効果」が出たからね。確かにPPIPは金融システム全体にとっては良い政策だと思う。でもPPIPが失敗したからといって政府の他のプログラムが台無しになるわけではない。銀行が金融システム全体に占める信用創造は全体の25%に過ぎない。だからクレジット・クランチを全部銀行と、その有毒廃棄物のせいにするのはおかしい。
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【解説】
PPIPには銀行や証券会社がそれを悪用し、荒稼ぎ出来る余地があります。つまり脆弱性を持っているということ。大半の銀行はそれを利用してどうやって稼いでやろうかと手ぐすねを引いて待っているというのが現状です。
これはAIGが1~3月に資産を投げ出したとき、一部証券会社がその反対側に回って荒稼ぎしたのと似たような火事場泥棒的トレーディング・チャンスです。
ダイモンはそういう姑息な儲け方をしようと今からヨダレをたらしている他社をけん制するとともに、ガイトナーが考案したPPIPを公に批判した(銀行の経営者としては彼が最初)という点で今回のカンファレンス・コールは重要だったと思います。

1 件のコメント:

nao さんのコメント...

 さすがジェイミー・ダイモン!!やはりこの人は別格ですね。(邪推すると二月の公聴会はよほどこたえたと思います。)
 しかし相場は別物と思い昨日引け際にJPMすべて利喰い、調子に乗ってFAZを打診買いしました。
 
P.S. ストック・ツイッター面白いですね。