【解説】
ジョージ・ソロスはハンガリーの大手銀行OTPの株をショートしてハンガリー政府とひと悶着ありました。
その後両者は和解しています。
そういう事情もあってか今日のソロスはG20の成果を褒めちぎっています。
【インタビューの抄訳】
マリア・バーチュレモ:「コミュニケをお読みになりましたよね?印象は如何ですか?」
ソロス:「思ったより成果の大きいミーティングだった。山高帽からウサギを手品のように取り出した、、、まあそんなところだね。ゴードン・ブラウン首相にとって最高に輝ける瞬間だったと思う。」
ソロス:「政治家がマーケットより先回り出来た数少ない瞬間だったと思う。」
マリア:「IMFが7500億ドルの資金で新興国を救済することが決まったけど、この金額は十分ですか?あと誰がこの金を受け取るべきだと思いますか?」
ソロス:「この金額は市場の予想より大きかった。あとSDR(special drawing rights)は新しい通貨を作ったのと同じ効果がある。これは景気が悪いからと言って即座に輪転機を回すことができない立場にある国がSDRを通じて必要な景気刺激策を取れることを意味するから大事なことだ。」
ソロス:「中国は他国より経済の内容が良いし、一足先に不況から立ち直るだろう。ブラジルも結構良いポジションにつけている。インドは他の諸国より先進国との貿易に組み込まれていないのでそれが幸いしている。来年までには世界の経済成長は再び始まると思う。」
マリア:「中国は米ドル以外の基軸通貨の選択肢が望まれると発言しているけど、それについての意見は?」
ソロス:「遠い将来という意味ではそういうことも適切だろう。でも当面は関係ない。SDRは市中ですぐに使えるお金ではない。これはIMFにおけるブック・エントリー(帳簿記載)による国家間の貸借である。だから実際に市中にお金を注入するには現地通貨に換金する必要がある。人民元が交換対象の通貨のひとつに採用されることは考えられる。でもSDRがドルに取って代われれるとか、そういうのはぜんぜん遠い先の話だ。
マリア:「長期では人民元が基軸通貨になりますか?」
ソロス:「いや、ドルが当分の間、支配的な通貨であることは変わりないだろう。超長期ではアメリカが他の国と同じ財務的規律に縛られることは大事なことだと思う。」
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