ダイアナ・シッピング(DSX)の決算は次の通り;
EPS:47¢(コンセンサス46¢)
売上高:6270万ドル(コンセンサス6070万ドル)
【カンファレンス・コール要旨】
2009年初めのBDI指数は773だった。昨日(5月5日)の引け値は1897。
今後のBDI指数の動向は世界経済、とりわけ鉄鋼価格の動向に左右される。
3月の粗鋼生産は9200万トンだった。これは前年比で▼24%の下落だ。第1四半期の粗鋼生産は2.46億トンで、前年比▼23%の下落だった。中国だけがかろうじて去年より+1.4%増えており、1.27億トン生産した。
粗鋼生産に必要となる原料の価格は余り下落していない。たとえば中国政府はコークスの輸出に40%の輸出税を課している。これがコストを押し上げている。
鉄鉱石価格については中国やインドに輸出されるスポットの価格は高値のトン当たり$1150から65%ないし70%程度下落した。しかしNMDC(National Mineral Development Corp.)が国内顧客にチャージする長期契約価格は▼25%しか下がっていない。製鉄会社の立場からすれば長期契約価格がもっと下がらないと困る。
鉄鉱石の年間供給契約交渉に臨む中国と日本の鉄鋼メーカーは値下げ要求をしなければいけない立場に立たされている。リオ・チントは▼20%のディスカウントを提示しているようだ。中国側は4割から5割の値引きを要求している。
中国経済には好転の兆しも見えている。発電量が持ち直しているし、工業生産も3月は+8.3%成長だった。これは1・2月の+3.8%より良い数字だった。
3月の鉄鉱石輸入は過去最高を記録した。これは2か月連続だ。しかし鉄鋼生産は1・2月は+2.4%の成長にとどまっている。このため中国の鉄鉱石の在庫は急に増加しつつあり、4月中旬の時点で6700万トンになっている。今後2週間でもっと多くの鉄鉱石が到着する予定だ。
クラークソンは2009年通年の鉄鉱石の運搬ボリュームとして7.92億トンを予想している。これは去年と比べて▼6%だ。ハウ・ロビンソンはもう少し楽観的に見ていて、▼2.5%と予想している。
クラークソンは2009年通年のコークスの運搬ボリュームとして1.97億トンを予想している。これは去年と比べて▼10%だ。
クラークソンは2009年通年のスチーム・コールの運搬ボリュームとして5.72億トンを予想している。これは去年と比べて▼1%だ。
今年は2300万トンがスクラップされる。これは去年の4倍。
既存のバラ積み船の25%が向こう3年でスクラップされる。
一方新造船のオーダーは現在の世界のバラ積み船の70%に相当するトン数の注文が出ている。このうちの一部はスリップないしキャンセルされる。
今年は全体で+15%ほどのキャパシティーの増加が見込まれている。
クラークソンによれば第1四半期のネット・ベースでのキャパシティーの増加は1.6%にとどまった。
しかしスクラップを差し引いたネットベースでの今年のキャパシティー増加は+10.5%になるとみられている。
施主が船をキャンセルしても造船所は国の銀行などにかけ合い、作りかけの船を自分の所有物にして完成させる。そして後でマーケット環境が良くなってからそれを売りに出す。従ってキャンセルされた船が市場に出てこないと考えるのは早計だ。
(追記)
ダイアナ・シッピングのCFDはFXオンライン、SVC證券、ひまわり証券で扱っています。
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