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2009年5月20日水曜日

ユーチョン・テクノロジーズ(ティッカー:YTEC) 中国IT企業

ユーチョン・テクノロジーズ(YTEC)は中国の金融機関に対してITソリューションを提供するソフトウエア企業です。

創業:1999年
本社:北京
従業員数:約2000人
顧客:中国のトップ15銀行のうち中国商工銀行、中国建設銀行、交通銀行など13行が顧客。その他、中小の銀行も顧客になっている。
事業内容:ソフトウエア、アプリケーション、POS、メンテナンス
上場: ナスダック
株価: $6.67
時価総額: 1.17億ドル
発行済み株式数:1757万株

09年ガイダンス
ノンGAAP売上高:6900~7200万ドル
GAAP売上高:1.17~1.22億ドル
ノンGAAP純利益:1600から1670万ドル
EPS:86から90¢

08年実績
ノンGAAP売上高:5400万ドル
GAAP売上高:9900万ドル
ノンGAAP純利益:1320万ドル
EPS:71¢

ユーチョン・テクノロジーズは中国の銀行に対してITのトータル・ソリューションを提供する会社です。中国の銀行はこれまでの単なる貸付のビジネスから今後フィー・ビジネスを拡大することが課題になっています。それを実現するためにはITシステムへの投資を一層強化する必要があります。現在、中国の銀行の総資産は約8兆ドルであり、アメリカの11兆ドルへ迫りつつあります。その一方で中国の銀行業界全体のIT予算は70億ドルに過ぎず、アメリカの420億ドルの6分の1程度です。
独立のコンサルタント、IDCによると向こう3年の中国の銀行セクターのIT支出は年率18%程度で成長すると見られています。ユーチョンは市場のパイの成長率よりもっと高い成長率を目標に掲げています。ユーチョンの主なビジネスは:

【チャンネル・ソリューションズ】
コール・センター、Eバンキング→顧客との接点になる部分

【ビジネス・ソリューションズ】
銀行の日々の業務の支援=コア・バンキング・ソリューション→融資管理、為替、財務会計

【リスク管理】
地方都市、支店網、データストレージ

【POS】

それぞれの部門のランキング、顧客は次の通り:

EバンキングではYTECは第1位 70%シェア
ICBC、CCB、BoCom

コール・センターでも第1位 19%シェア
CCB、BoCom、

コア・バンキング トップ3 顧客数では30%

融資管理 トップ3

ビジネス・インテリジェンス 第2位

リスク管理 中国のベンダーとしては第1位

POS
ターミナルを設置し、売上の%を取る


上位4顧客が総売り上げに占める比率は55%です。ユーチョンはもともとシステム・インテグレーターだったのですが、その後、IT、ビジネス・コンサルティングに参入し、さらにフロント・エンド、ビジネス・プロセシング、バックエンド・マネージメントなどの商品提案力を追加してゆきました。次のステージはアウトソーシングであり、具体的にはEバンキングASP、ビジネス・プロセス・アウトソーシングなどを展開する予定です。また顧客として今後、保険、アセット・マネージメント、投資銀行も取り込みたいと考えています。

同社のグロスマージンは60%台です。それから同社は最近、売上高の計上方法を変更しました。具体的には:


① これまでのグロス・ベースからネット・ベースに売上高の計上方法を変更
② カテゴリーを再編成

これによりヤフー・ファイナンスなどに出ている数字は古くなっています。

なおユーチョンの最大のライバルは以前に紹介したことのあるロングトップ(ティッカー:LFT)です。
一方のロングトップが今年のPERで21倍程度で取引されているのに対して、ユーチョンはPERで7.6倍に過ぎません。同社の売上高成長率は30%近く、ボトムライン成長は24%程度ですから、成長率はロングトップに比べてそれほど遜色ありません。

ユーチョンは明らかにミスプライスされています。

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