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2009年5月7日木曜日

WSPホールディングス(WH) 中国の石油探索生産用チューブ、パイプの会社

WSPホールディングス(WH)は中国の石油の探索生産に使用されるチューブならびにパイプ(OCTG=Oil Country Tublar Goods)のメーカーです。

OCTGは比較的専門性の高い分野であり、誰にでも作れるものではありません。中国では片手で数えられるくらいのメーカーがこの分野に進出していますが専業メーカーはWSP1社です。世界的にはアルゼンチンのテナリス(TS)がライバルになります。

OCTGのビジネスは大きく分けて2つに分類できると思います:

1.API仕様
2.ノンAPI仕様

APIというのはAmerican Petroleum Instituteの略で、標準商品です。ノンAPIというのはとりわけ地熱の高いところなど、通常のドリリングより過酷な操業環境下での使用に耐えうる商品を指します。従ってノンAPI仕様の商品は通常、顧客(=石油会社)のニーズに合わせて特注品となります。付加価値、マージンも一般的にはノンAPI仕様の方が高いです。

WSPはもともと中国でOCTGを製造販売していましたが、近年は世界市場へも業容を拡大していました。しかし原油価格の下落で需要が減り、現在は経営戦略を見直しています。

具体的には手広く海外展開するのを控え、ペトロチャイナなどの中国国内の石油会社とのビジネスを強化する方向へ軌道修正されました。ペトロチャイナなど中国大手石油会社の探索生産活動は「西気東輸」などの国策の一部なので余りカットバックされていません。

WSPは新疆に新工場を建設しこの需要に応える計画です。

【データ】
第4四半期決算
売上高: 2.99億ドル (前年同期比+130%)
EPS: 27¢(前年同期は20¢)
グロスマージン:18.7% (前年同期は25.6%)

2008年通年決算:
売上高:9.12億ドル
EPS: 97¢(フラット)

09年通年ガイダンス
売上高:6.5から7.5億ドル
純利益:7000から8000万ドル
発行済み株式数:2.05億株
ADR:普通株 2:1
EPS:中値 73¢
PER:5倍
海外比率34%。海外受注低調。中国国内営業へ注力。国内需要はOK。
中国国内のAPIは過剰設備になっている。このためノンAPI製品にも注力しはじめている。
長期契約で決められた販売価格に助けられてASPは高止まりした。
今後は下がる。コストは材料費(鉄など)が去年の第4四半期にかけて下落したため楽になった。
ロシアの銀行から回収できない不良債権が発生した。700万ドル。
【顧客リスト】
ペトロチャイナ
シノペック
ルクオイル
コノコ・フィリップス
シェル
KOC

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