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2009年6月8日月曜日

アメリカの石炭の可採埋蔵量の予想が半減?




ウォール・ストリート・ジャーナルの伝えるところによるとアメリカの石炭の埋蔵量の正確な数字を巡ってアメリカ地質調査所(US Geological Survey)とエネルギー省のいち部署である米国エネルギー情報局(EIA)の間で論争が起きているそうです。
アメリカには石炭は無尽蔵にあり、可採年数は240年と言われています。しかし最近、大がかりな調査を完了したアメリカ地質調査所は「実際にはアメリカの石炭の可採年数は遥かに短い」という結論を出しています。カルテックのデビッド・ラトリッジ教授も「アメリカの石炭の可採年数は実際には120年がいいところだろう」と言っています。
こうした論争を受けてエネルギー省は急いで新しいベースライン予想を計算したいとしています。
石炭は比較的安いということと工業の発達した大国の多くで、国内調達が可能であるということもあり、石油、天然ガスなどを含めたあらゆるエネルギー源の中でも最も重要な地位を占めています。アメリカは中国に次いで世界で2番目に生産量が多いです。またアメリカの発電所は全体の約半分を石炭に依存しています。今後の世界全体のエネルギーの需要の成長率を見ても石炭が最も高い伸びを示すと考えられています。
ですからアメリカの可採埋蔵量が一度に半減すると世界のエネルギーのロードマップが狂ってしまうのです。
なおこの記事を書いたWSJのレベッカ・スミスはエンロンのスキャンダルをリアルタイムで暴いたインべスティゲーティブ・リポーターで、エネルギー関係の記者としては超一流かつ大ベテランです。
PS:世界のエネルギーの需給関係や短期、長期での見通しに関しては6月18日(木)のCMCマーケッツ主催のウエブセミナーで詳細に論じる予定です。


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