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2009年6月8日月曜日

プラチナの権益を巡る国際的陰謀を描いた古典



最近、オバマ政権が燃費・排ガスに関する規制を強化すると発表しました。アメリカが抜本的に燃費・排ガスに関する規制を見直すのは1970年代以来のことです。
僕よりも上の世代の人は「マスキー法」などを覚えているかもしれませんね。
僕もオバマ政権の燃費・排ガス規制強化のニュースで70年代のことを懐かしく思い出してしまいました。先月のCMCマーケッツでの勉強会で南アのインパラ・プラチナムを取り上げたことでもあり、ノスタルジアから書棚の『Dogs of War』に手を伸ばしました。
以前にも紹介しましたが、このフィクションは現在のナイジェリアに位置するビアフラでの内戦をモチーフにした作品です。設定としては西アフリカの小国でプラチナが発見され、「マスキー法」によって排ガス浄化のためのプラチナのフィルターをすべての自動車に装着することが義務付けられることに目をつけた英国の鉱山コングロマリットの社長さんが、傭兵を使ってその小国の政府を転覆し、プラチナの権益を独占しようと企む、、、そういうストーリーです。
エンディングのアクションシーンとか、どんでん返しとかも手に汗握る面白さなのですけど、フレデリック・フォーサイスの凄いところは鉱山師はどうやって資源が眠っているところに目星をつけるのか?とか、ロンドンのシティの金融関係者はどうやって内部情報で巨利を得るか?とか、コーポレート・ガヴァナンスをどのように骨抜きにするか?、さらには政府転覆の為の私兵の編成から武器調達、作戦のロジスティクスまで、すべてのディテールが迫真的な点です。
実際、『Dogs of War』にはインパラ・プラチナムも出てくるし、米国のエンゲルハート(=これは『007』のゴールドフィンガーのモデルになった人です)も出てきます。そのときの企業価値の算出の方法や考え方のロジックが今のインパラ・プラチナムやノリリルスク・ニッケルの企業評価の値踏み手法と似ているのには既視感から軽いショックを受けるほどです。
最近、槍玉に上がっているインベストメント・バンカー流のものの考え方、シティの世界を垣間見ることの出来る、スリリングな一冊。

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