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2009年7月2日木曜日

テーミス・トレーディングのジョー・サルージー

いまのウォール街で起こっていることは喩えて言えばロックフェラーがスタンダード・オイル・トラストでアメリカ中のオイルのディストリビューションをコーナリングしたのと似ています。(GとかJという証券会社のお行儀の悪さの話です。)

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ジョー・サルージーはインスティネットでずっとカスタマー・ビジネスのエクセキューションをやってきた人で、この世界の第一人者。3分30秒あたりからの議論を耳をかっぽじいてよく聞いてみて下さい。

「さいきんのNYSEはじめアメリカの各市場の株式出来高の大半はフィクションだ。ぜんぜん実需じゃない。60~70%のボリュームはハイ・フリックエンシー・トレーダーがプリントしたもので、機械によるトレードだ。50ミリセカンドという目にも止まらないスピードでガンガン売買する。そうやって自分で売り買いして、NYSEからリクイディティー・リベートと呼ばれる、流動性を提供することに対して支払われる駄賃を集めているに過ぎない。NYSEは去年のサブプライム危機のとき、ごく一部の有力証券と流動性提供に関する協力関係を結び実質的に流動性提供の仕事をアウトソースした。でもこれらの有力証券は別にファンダメンタルズに基づいてトレードしているのではなく、トレードをプリントできるときに適当にプリントしておいて駄賃を貰っているだけだ。だから実際にリクイディティーがあると思うと大間違いだ。今はブル相場なのでスルスル上がっているけど、下がり始めたらまた去年の秋みたいに誰も売れない市場が来る。」

出来高(volume)と流動性(liquidity)とはぜんぜん別のものだ。ハイ・フリックエンシー・トレーダーは出来高ばかり稼いでいるけど、流動性は提供していない。そこのところを勘違いしてはいけない。」

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