僕自身もそう信じたいです。
でも上のチャート(出典:ディー・ショート)を見てください。現在のアメリカの株式市場(青)がダウントレンドにきっぱりと決別したか?というと、「う~ん、何とも言えないな」と思わざるを得ません。ちなみにグレーの線は1929年の大暴落以降のベア・マーケットです。
いつも言うようにこのようにチャートの似ているところだけを重ね合わせて過去と比較するという方法は僕は嫌いです。なぜならどこを起点に取るかということでどうにでも自分に都合の良いストーリーが描けてしまうからです。(僕なら1929年の9月と2008年の9月を揃えて比較します。なぜなら両方ともレーバー・デイ明けの立会から、ガラッと相場つきが変わったからです。)
1929年の大暴落のときはザックリ急落した後、翌年の4月にかけてマーケットは50%戻しました。つまりリバウンドは今回よりも力強かったと言っても差支えないと思うのです。実際、1930年の5月には商務長官が「あと2~3か月で景気は平常に戻る」と断言しています。さらに6月には労働大臣が「最悪期は完全に脱した」と宣言しました。フーバー大統領自身も6月に「恐慌は終了した」とコメントしています。
しかし夏場にかけてなんとなく株価に「切れ味」がなくなり、そのへんあたりから大衆のウォール街に対する憎悪は高まります。
結局、この戻り高値から最終的な安値まででニューヨーク市場は80%も下落するのです。またニューヨーク市場がこの戻り高値の水準を回復したのは1954年のことだと言われています。
なかでも不気味なのは、1929年の暴落以降、暫くはウォール街の景気はそれほど悪くなかったのだそうです。1930年にかけてのラリーの局面では一度解雇された場電や秘書がどんどん呼び戻され、ボーナスも沢山出たそうです。いまウォール街の基本給を引き上げるという話題が新聞などを賑わせていますが、当時もこれとまったく同じ状況だったのです。
なおウォール街に最初のリンゴ売りが姿を現わしたのは1930年の10月なのだそうです。
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