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2009年7月18日土曜日

もう「ぶっ壊れている」とは言えない投資銀行のビジネス・モデル


去年、サブプライム問題に端を発した金融危機が襲ったとき、「投資銀行のビジネス・モデルは崩壊した」ということがさかんに言われました。

確かに投資銀行が株式や債券を殆ど引き受けられなくなってしまったときは(これは根本的に投資銀行の在り方を見直すときが来たかな?)と思いました。

しかしここへきてディールは復活しています。
第1四半期の後半あたりから優良企業を中心に社債の発行市場は息を吹き返しました。
また株式も金融機関自身の体力増強のための増資が相次ぎました。
そして最近では事業会社による株式発行もリズムを取り戻しています。

いまは夏休みの時期なので季節的に1年で最もエクイティー・ディールが少ない時期です。
とりわけロードショウをやる必要のあるIPOは閑古鳥です。
でもレーバー・ディ明けからのパイプラインはそれなりに詰まっているものと思われます。

なおモルガン・スタンレーの名誉のために断っておくと、上のグラフはディール・ロジック社の統計ですが、モルスタの或るリサーチ・レポートから引用した関係で、モルスタ自身の数字は除いたものとなっています。

このグラフからも株式や債券の調達市場は生命力に溢れていることがわかります。

先日のJPモルガンの決算カンファレンス・コールではジェイミー・ダイモンが「今期のわが社の投資銀行部門のフィー収入は過去の世界中の全ての投資銀行のどの四半期決算におけるフィー収入より多かった。つまり歴代記録を塗り替えた。」と豪語していました。その自慢は兎も角、改めてその金額の巨大さに唸ってしまいます。

なお上のグラフでは投資銀行の自己勘定におけるトレーディング収入は入っていません。言うまでもなく、その分野ではゴールドマン・サックスが抜きんでています。つまりトレーディングならゴールドマン、カスタマー・ビジネスならJPモルガンという二強時代(そういう記事が今日のニューヨーク・タイムズの第一面にも出ていました)に突入したわけです。

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