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2009年7月31日金曜日

エクストラタ対アングロ・アメリカン








少し前の記事でデビアスがダイヤモンドのETFを考案中であることを指摘しました。
デビアスの親会社はアングロ・アメリカンという南アのコングロマリットです。
アングロ・アメリカンは今、焦っています。
いろいろなリストラクチャリングのアイデアを検討中です。
この理由のひとつはスイスに本社を置き、ロンドン市場に上場されているグローバル資源企業、エクストラタがアングロ・アメリカンに対等合併を申し入れているからです。確かプレミアムを伴わない株式交換で50:50というのがエクストラタの提案だったと思います。
エクストラタによると合併のメリットは物流などの面での費用削減効果(10億ドル程度)にあります。
対等合併という触れ込みですが、立場としてはアングロ・アメリカンの方が守勢に立たされていると言えます。その理由は2003年以降の資源ブームの環境下で、アングロ・アメリカンは他社より成長という面で大きく立ち遅れたからです。
一番上のスライドは2002年の時点の世界の巨大鉱山会社の戦略的地位を示したものですが、アングロ・アメリカンはBHPビリトン、リオチントと並んで三強の一角を構成していました。(エクストラタは赤字で示されていますが、とても小さいです。)
二番目のスライドは去年の状況です。ライバルのBHPビリトンとリオチントは3倍以上に成長しています。またブラジルのバーレとエクストラタがそれ以上に成長し、トップグループに割り込んできています。この一方でアングロ・アメリカンは成長しているにはしているのですけど、成長率は他社よりずっと小さく、同じ場所にとどまっている印象は否めません。
もしエクストラタが提案するように両社が合併すれば、規模の面でBHPビリトン、リオチント、バーレの3社に匹敵する総合鉱山企業が誕生するわけです。
三番目のスライドは両社の商品ポートフォリオの分散を示しています。
四番目は若し合併が成就された場合、それぞれの商品で新会社(緑色)が世界のランキングでどの位置につけるかが示されています。
(スライドの出典はいずれもエクストラタ)


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