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2009年7月3日金曜日

運用の英語 secular

【今日の運用の英語】
今日はsecular(セキュラー)という単語について書きます。

secularという単語は大きく分けて二つの意味があると思います。

①宗教から切り離された
②長い期間に渡って続く

たとえば最近、イランで大統領選挙の結果に不満を持つ国民が「政治を変えたい!」としてデモ行進しましたが、彼らのうちの一部の人はTheocracy(神政=つまりイスラム教と政府が合体していること)に反対していました。上の①の意味でのsecularというのは、このtheocracyの対極に位置する概念です。

さて、企業の決算のカンファレンス・コールやアナリストとファンドマネージャーの間でのやり取りの中でsecularという言葉が出てきたとき、宗教は関係ありません。むしろ②の、長い期間にわたって続くという意味で使われます。

この場合のセキュラーとは、ラテン語のsaeculumが語源であり、ちょうどヒトの一生と同じくらいの長さという意味です。

尤も投資の世界ではヒトの一生ほども長く続くトレンドなど稀ですので、普通、secularという単語を運用の世界の人間が使う場合、「当分の間の」という感覚に近いです。

具体的にはセキュラーという単語はsecular growth rate(長期トレンドでの成長率)などを論じる場合に使われます。なぜ、単なる成長率と敢えて区別するかといえば、景気のサイクルが上向きになったときなどは別に成長産業や成長業種でなくても利益の成長が見られたりするので、そういうcyclical(シクリカル)な要因を除去するためにsecularという単語を使うわけです。

或る企業の売上高やEPSがどんどん成長している場合、その成長のうちのどれだけがsecularで、どれだけが景気サイクルからもたらされているものなのかを判断するのはかなり難しい作業です。でもsecular growth rateと、その株に与えられるべき妥当PERは密接に関係しています。だから成長株投資の局面ではsecularという単語は極めて使用頻度の高いことばだと言えます。

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