エクソン・モービル（XOM） 王者たる理由

もうかれこれ１５年くらい前になりますがシアトルの義理の母から相談を受けました。

「おじいちゃんが死んで、持っていたエクソン・モービルの株を譲り受けたのだけど、どうしたものか？」

義理の母はどちらかといえば「左」に寄った考え方をする人で、社会問題にも関心が高いです。

義母：「エクソンはアラスカで座礁事件をおこした悪い企業だから、ムシャクシャするわねぇ。」

僕：「おかあさま、まあ、そうおっしゃらず。エクソンもあの事件以来、ずいぶん改心したと聞いていますし、、、。ところでずいぶんまとまった株数ですね、おじいちゃんの持っていたエクソンは。」

義母：「そうなのよ。おじいちゃんはね、ベイタウンで郵便局に勤めながらコツコツお金を貯めてはエクソンの株を買い足したそうよ。」

僕：「はああん。それでエクソンなのか。」　（注：ヒューストンのベイタウンにはエクソンの主力精油所があります。）

僕：「そういう事情のある株なら、おじいちゃんの気持ちを継いで、抱えていてもいいんじゃないですか？」

僕：「僕がおかあさまくらいの年齢で、新聞でいちいち株価をチェックするのが面倒で、夜、安心して寝られるような株をひと銘柄だけ買っていいと言われたら、、、たぶんエクソンにすると思いますよ。」

義母：「そうかしら？　信用ならないからね、ウォール街で働く人の言うことは。」

僕：（おおきなお世話だ。じゃ何で電話してくるの？）

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僕は憮然としながらも一応、エクソンの株が投資対象として悪くない理由を一通り並べました。

当時のエクソンの状況とこんにちの同社の置かれたシチュエーションが寸分違わぬものであることに改めて驚きを感じます。