ETFやCFD取引という、個人投資家をターゲットにした新金融商品をみて、僕が最初に受けた印象はそれらの商品の設計上のシンプルな優美さです。
ETFの場合、インカインド・クリエーション&リダンプションと呼ばれる、現物バスケットの持ち込みによるETFの増資・減資がファンドのコストを抑えるのに決定的な有利さをもたらしています。
CFD取引の場合、現地にいちいち現物株や株価指数などを実際に調達に行く代わりにCFD会社との差金決済の取り決めをすることで取引コスト、口座管理コスト、ドキュメンテーションのコストなどを軽減できる可能性が生まれます。
そのような有利さがわかっているにもかかわらず、なぜ業界関係者は昔流のやり方にこだわったのでしょうか?
それにはいろいろな理由がありますが、最も大事なのは価格情報の透明性という面で従来、個人投資家は不利な立場に立たされていたので、彼らを保護する観点(=たとえば呑み行為の防止)から杓子定規な取引規定が厳守される必要があったということです。
グーグル・ファイナンスなどを通じてカンタンにリアルタイムの価格情報が取得できるこんにち、この問題は過去のものとなりつつあります。
その意味でこれらの商品はコンピュータやインターネットなどの情報インフラストラクチャーがしっかり社会に根付いていることを前提条件とするイノベーションだと言えます。
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