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2009年8月21日金曜日

アイヴァンホー・マインズ(IVN)



モンゴルの議会が超過利潤税の撤廃に向けて徹夜の審議を続けているそうです。
このニュースを受けてアイヴァンホー・マインズ(ティッカー:IVN)の株は新波動に入りそうな勢いとなっています。
モンゴル議会は3年前、オユトルゴイ鉱山に莫大な金ならび銅が眠っていることが判明した際、慌てて国の取り分を増やすべく、超過利潤税を成立させました。
超過利潤税は:
①1トン当たり$2600を超える銅価格を生産者が得た場合、その利益に対してモンゴル政府が68%の税率で課税する
②1オンス当たり$500を超えるゴールド価格を生産者が得た場合、その利益に対してモンゴル政府が68%の税率で課税する
というきまりでした。
オユトルゴイの採掘権を所有するアイヴァンホー・マインズ(ティッカー:IVN)はこの立法に反発して鉱山開発への着手を見合わせてきました。
プロジェクトが軌道に乗るまではアイヴァンホーならびにそのパートナーであるリオチント(ティッカー:RTP)は莫大な先行投資費用をかけて鉱山開発をしなければいけません。つまり「持ち出し」になるのです。
従って、当分の間、モンゴル国にとっての経済効果は銅やゴールドを販売ないし課税することによってもたらされるのではなく、アイヴァンホーとリオチントが創出する雇用などから生まれるのです。
この点をよく考えもせず、モンゴルの議員さん達は取らぬ狸の皮算用よろしく「俺が当選した暁にはオユトルゴイにどんどん課税して、それで皆にお金をばら撒く。だから僕に投票してくれ」式の選挙活動を展開しました。
その醜態にアイヴァンホーの方では嫌気がさしたというわけ。
一方、アイヴァンホーのJVパートナーであり、実際の採掘事業の経費の大半を工面するリオチントは去年の金融危機以来、かなり深刻な資金繰りの問題に直面しています。
割当増資や資産売却を実施したので今は台所事情が若干改善しています。
それでもどんなプロジェクトにも見境なく巨大な資本を投下出来るほどの余裕は無いのです。
折悪くリオチントは中国との鉄鉱石交渉がこじれ、同社の代表が「スパイ容疑で」中国政府に逮捕されるという事態に発展しています。
だからアジアのビジネスにウンザリしてきているわけです。
消極的なアイヴァンホーやリオチントの態度を見て、ようやくモンゴルの議会も(これは駄々をこねている場合ではないな)と気がついたというわけ。
もちろん、いつも言っていることですが、何も開発による経済成長だけが国民が幸福になる道ではありません。経済成長を目指さないという選択肢も当然あってよいわけです。
また自然環境の保護や水源の保全などステークホールダー全員が納得できる鉱山法がきちんと整備されて初めてモンゴルにとって良い経済開発が出来るのだと思います。オユトルゴイの他にはめぼしい鉱山が少ないアイヴァンホーは兎も角、リオチントにとっては別にオユトルゴイでなくてはならない理由はありません。
さらにこれは2年前の勉強会でも言ったことですが、マーク・トウェインいわく、「金鉱とは空っぽの穴の上に嘘つきが立っている場所のことだ」つまりオユトルゴイも未だ商業ベースで実際にゴールドや銅を掘り出していないわけですから、本当に採算の取れる鉱山活動が出来るかどうかに関しては未知数の部分も多く残っています。



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