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2009年8月30日日曜日

「ミスターPC」の反撃



「Cool」、つまり「カッコいい」というのはアップルのお家芸であり、マイクロソフトはその面では常にダサい、嘲笑される存在でした。

ところがその何をやらせてもダサいはずのマイクロソフトが「へえ、マイクロソフトもなかなかやるじゃん!」というキャンペーンを開始しました。

「アイ・アム・アPC」、つまり「僕がPCだよ」と題されたこのキャンペーンは実際にマイクロソフトでエンジニアをやっている、退役軍人のフツーの人をモデルに使っています。

「僕みたいなフツーの人間はどこにでも居るけれど、だからといって我々をみんな一緒にしないで欲しい。ぼくらはそれぞれに個性をもっているのさ。」という言葉はマックの有名な広告(その中ではマイクロソフトのユーザーは全員同じようにダサいと暗喩しています)の偽善性を鋭く突いたものです。

実際、一連のこのシリーズに登場するフツーの市民は自分が何を求めているか?がハッキリしており、その個性に応じたショッピングをしています。さらに自分に必要なもの、不要なものをちゃんとわきまえた「賢い」消費者たちです。

これらの登場人物に共通するのは、自分のイメージにぴったり合致した製品をみつけた満足感、リーズナブルな買い物をしたという達成感、そして高揚感です。

このマイクロソフトの広告を見た後にアップルの広告を見ると、改めてその底意地の悪いメッセージに驚くと共に、なんとも言えない後味の悪さを感じました。

アップルは既に大成功を収めている企業であり、Good taste(趣味の良さ)の代表みたいな存在なのですから、その会社がいまだに会社存亡の危機に瀕していた1996年頃のアップルと同じメンタリティーでネガティブ・キャンペーンを張っているのは経営者の考えが古いです。

なによりもいけないことはマイナーな発想が抜けない余り、マス(=多数派)である一般国民を愚弄し、嘲笑う調子がいつまでたっても抜けないことです。

僕がアップルの経営者ならすぐ今使っている広告代理店をクビにしますね。

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