これはウェブ・セミナーなどでも繰り返し言うことですが、投資の勉強をする際に、所謂、ハウツー物の本を読むことも必要でしょうけど、超一流の連中がいま何を買っていて、どんなことを考えているのか?をじっくり研究することはたいへん効率の良い勉強方法です。
実務家の仕事ぶりを研究する事によって普通なら何年もかかる株式投資の修業期間を一気に短縮することができます。
今日、例に挙げるのはジャナス・アスペン・オーバーシーズ・ポートフォリオというアメリカの成長株の投信です。
このファンドは変額保険適格国際型投信のランキングで過去5年のパフォーマンスで195の投信中、第一位、過去1年間のパフォーマンスでは275ある投信のうち第10位(リッパー)という成績を収めています。
上のスプレッドシートがその主な組み入れ銘柄ですが(抜粋)、僕はこのリストを眺めてはため息をつき、しばらく横に放り出しておいて、また何日か経って再び同じリストを見てはため息をつくということを繰り返しています。
自分の良く知らない銘柄があるとグーグルで検索してその会社のやっていることを調べたりもします。
また運用報告書の中の「ファンドマネージャーからのメッセージ」を読んで、運用担当者が考えていることをイメージしてみようと試みます。
どの銘柄や国の選択が一番、好パフォーマンスに貢献したか?逆にどの銘柄が足を引っ張ったか?(=これをアトリビューション・アナリシスといいます)を調べてみます。
そうやってファンドマネージャーのアタマの中に入り込んでゆくのです。
ジャナス・アスペンのポートフォリオを見て感じることは、所謂、Dead Weight(重石)に類するポジションが全くない点です。
Dead Weightとはアクティブ運用をしているように見せかけておいて、実はベンチマークから余り逸脱しないようにベンチマークで大きなウエイトを占める銘柄をこっそり入れておいてお茶を濁す、ファンドマネージャーの常套手段です。
日本の年金などのファンドマネージャーのポートフォリオは殆どがそういうDead Weightであり、全く勉強になりません。これは年金コンサルタントがしっかりしていないのが一因です。
ジャナス・アスペンは組み入れ銘柄全てが全力投球で選んだ「奇抜な」銘柄であり、とても勇気の要るアプローチだと言えます。
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