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2009年9月29日火曜日

ブラジルの基礎 その1 【過去記事の再録】

ブラジルのイントロダクション
ブラジルは国土の大きさではロシア、中国、米国、カナダに次いで世界で第5番目です。国土の9割が赤道と南回帰線の間に位置することから世界最大の熱帯の国であると言えます。

ブラジルは歴史的にポルトガルをはじめアフリカやイタリア、ドイツ、アラブ、日本など実にさまざまな国からの移民を受け入れてきました。その意味では人種のるつぼであるといえます。しかし、彼らはいずれもポルトガル語(識字率は88%)を話すブラジル人として共通のアイデンティティーを持つに至っています。(勿論、僻地に住むごく一部の先住民だけは例外ですが。)ブラジル人がこのように「ひとつの国民」、ないしは「ひとつの国家」として一体感を持っているというのは彼らの祖先の多様性を考えたとき、驚くべき事だと言えるでしょう。

一般にブラジル人は人好きのする開放的な性格だと言われています。2000年の国勢調査によるとブラジルの人口は1億6979万人で、世界で6番目に人口の多い国です。人口の74%がカトリック教徒であり、世界最大のカトリック国であるとも言えます。

さて、ブラジルの国民が共通の帰属意識を持っている反面、実際の人々の暮らしぶりを見ると経済的には裕福層と貧困層の間にたいへん大きな格差があります。そもそもラテン・アメリカの国々は貧富の差が激しいとろこが多いのですが、その中にあってもブラジルは特にひどい格差社会となっています。上のグラフは国連の「ヒューマン・デベロプメント・レポート 2004年」に収録された各国のジニ係数から主要国を抜粋したものです。

ジニ係数は所得分配の不平等の度合いを測る係数ですが、上のグラフの場合、100が「完全に不平等な社会」で、0が「完全に平等な社会」という風に読みます。ブラジルの59.1という指数は大変不平等な社会であることを示していて、実際、アフリカの一部の小国などを除くと世界で最も不平等な大国であると言えるでしょう。

このシリーズは2006年7月に楽天証券の『ADRを利用したBRICs投資』に掲載された過去記事を一部手直しし、再録したものです。

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