ETFの資産が9000億ドルに達しようとしています。
去年は世界不況の影響で前年に比べて残高が減りましたが、現在のところ市場の好環境にも助けられて2007年の水準を凌駕しています。
ETFがこれほど人気化した理由は(一部の商品を除いて)その商品の便利さやコストの安さによるところが大きいです。
よく誤解されるのは金融機関の強引な販売攻勢で販売を伸ばしていると思う投資家が多い点です。実はETFの新発売は米国では「けいぞく公募扱い」という証券取引法上の規制の対象であり、広告の類は厳格に規制されています。
また商品の性格上、販売会社手数料(投信のセールス・ロード)や上場引受手数料(アンダーライティング・ディスカウント)が存在しないので証券会社をはじめとする金融機関がこの商品をプッシュするインセンティブはゼロです。
その意味でETFは「売られる商品(push型)」ではなく、「買われる商品(pull型)」だと言えるでしょう。
それでは各社のETFはどのように運用資産を増加させるのでしょう?
これはニューヨーク証券取引所などの株式市場におけるそのETFの出来高と密接な関係があります。
或るETFに買い注文が集まり、場で引けた値段がそのファンドの純資産(NAV)より高くなってしまった(=これをプレミアムといいます)場合、指定参加者と呼ばれる機関投資家が割高になったETFをカラ売りすると同時に、同じ株数だけの現物株のバスケットを市場でかき集め、それをETFの会社に持ち込むのです。
ETFの会社はその束にされた現物株のポートフォリオと引き換えにETFをNAVで発行するのです。上に述べたように、あらかじめ指定参加者は割高になり、鞘が抜ける水準でETFをカラ売りしていますから、その受け渡しを現物持ち込みによりNAVで発行してもらったETFによってつけるわけです。
以上の一連の取引で結果として何が変わるか?と言えば、新しくETFが発行された分だけ、そのファンドの資産が増えたことになるのです。
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