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2009年10月9日金曜日

デジタル・メディア時代のスターたち



何度も繰り返し書くことですが、今、アメリカで一番ホットなテレビ番組はCNBCでもFOXでもありません。
ウォール・ストリート・ジャーナルが始めた、『ニュース・ハブ』という試みが極めて興味深いです。

なぜ『ニュース・ハブ』が凄いかといえば、台本を書く、ライターが居ないからです。
ライターは出演しているWSJの記者たち本人です。
だから本番でアドリブの鋭いコメントがグサッと視聴者に刺さってくるわけです。
今日の番組(上)では開始後2分40秒くらいのところで記者のひとり、エヴァン・ニューマークがオバマ大統領のノーベル賞受賞に関して「これはウッディー・アレン風に言えば、顔を出すだけで賞が取れるという証しだ」と揶揄しています。(彼は元ゴールドマン・サックスのバンカーでした。)それに応えてケリー・エヴァンスは「ノーベル賞のノミネーションの締切は2月1日だったので、その時点でオバマ大統領は大統領になってから11日しか経っていなかった」という鋭い事実を指摘しています。

この手のオイシイ予備知識の挿入が、『ニュース・ハブ』では毎日、起こっています。たとえば先日、オーストラリアが利上げしたとき、ケリー・エヴァンス(彼女はマクロ経済担当の記者でもあります)は「オーストラリアの利上げを、どこか海の向こうの小さな国の出来事と考えない方が良い。事実、グリーンスパン元FRB議長もオーストラリアを次におこることの先行指標として使っていた」とコメントしました。それに対して別の番組の出演者から「あれっ、いまのそのコメント、台本には無かったよね?」と本番中に指摘、、、ケリーは「エヘヘ、グリーンスバンの自伝を読んだとき、その箇所が頭に残っていたの」と認めました。

それから番組の後の方でデビッド・ウェッセル(長年、FEDウォッチャーとしてソリッドな評価を得ているベテランです)が「FRBはワン・ウェイ・ベットを嫌う。今日のバナンキ発言や投書欄での関係者のコメントなどは全て余りにもFRBが投資家にとって読み易い存在になるのを避けるための方便だ」とコメントしています。

まあ、そんな具合です。

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