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2009年11月17日火曜日

アイヴァンホー・マインズ(IVN)決算アップデート


11月13日にアイヴァンホー・マインズ(IVN)が決算を発表しています。現在は未だ開発準備段階ですので、決算の数字自体には全くニュース性はありません。そこで決算リリースの中から最近のモンゴルにおける同社の活動内容のサマリーを抄訳しておきます。
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10月6日にアイヴァンホー・マインズ(IVN)とリオチント(RTP)はオユ・トルゴイの銅・金山開発に関して投資契約(IA)をモンゴル政府と正式に調印した。
本投資契約はオユ・トルゴイ開発のために必要な法律面、予算面、環境保護面で安定した基礎を確立するものである。

10月27日にアイヴァンホー・マインズ(IVN)はリオチント(RTP)より3.88億ドルの資本出資を受け入れた。これでリオチントの所有するアイヴァンホー株式はアイヴァンホーの発行済み株式数の19.7%になった。この追加資本はオユ・トルゴイ・プロジェクトのうち露天掘りのピットへの鍬入れ、ならびに地下坑の掘削のために費消される。現在のアイヴァンホーとリオチントの契約では、最終的にリオチントがアイヴァンホーの持ち株を43.1%にまで引き上げる可能性がある。

モンゴル政府は今回の投資契約によりオユ・トルゴイ鉱山の34%の権益を取得した。アイヴァンホーの権益は66%である。モンゴル議会は7月16日にこの投資契約を承認した。またこの投資契約の内容が現在のモンゴルの憲法に照らして合法であることを確認した。この投資契約のドラフトはモンゴルの内閣および国家安全保障理事会にて承認された。

この投資契約締結に際してモンゴルの4つの鉱山関連法が改正され、とりわけ8月25日にモンゴル議会は2011年1月1日から効力を発する銅と金の生産に対する68%の超過利益税をキャンセルするためのサンセット条項を盛り込んだ。

今回の投資契約で向こう30年に渡りこの税制、ならびに規制の枠組みが維持されることが確認された。さらにこの契約は20年延長するオプションを付与されている。

今回確認された税体系の中では法人税、輸出の際の関税、付加価値税、消費税、ロイヤリティー、採掘ならびに生産ライセンス、固定資産税などが規定されている。

オユ・トルゴイにおける採掘は引き続き継続されている。この採掘では独自の「ゼウス」インデュースト・ポーラライゼーション技術が使われている。鉱床の所在を示唆するIPアノマリーは幅広い箇所で検出されており現在のオユ・トルゴイのリソース(推定埋蔵量)を拡大する可能性もある。アイヴァンホーは近日中に「ゼウス」調査の結果を発表する。

10月26日にアイヴァンホーが79%を所有する子会社、サウス・ゴビ・エナジー・リソーシズ(トロント市場:SGQ)は中国のSWFであるCIC社から5億ドルの出資を受けた。出資形態は担保付転換社債である。この資金はモンゴルにおける石炭採掘プロジェクトの業容拡大のために費消される。サウス・ゴビは第3四半期の生産高として45.7万トンの石炭をオブート・トルゴイ炭田から生産した。

現在のオユ・トルゴイのプロジェクト進捗状況は1385メートルのシャフトが完成した。水平掘り部分の延長は1430メートルに上る。工事の進捗は計画を上回っている。
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【僕の解説】
アイヴァンホー・マインズとリオチントによるオユ・トルゴイ鉱山の開発は政府部門、民間部門をあわせてモンゴルで最大の企業活動であると言えます。また銅、金、石炭という3つの極めてアトラクティブなコモディティーを股にかけているという点で、アイヴァンホーは極めて重要な企業です。極端な言い方をすればモンゴルのストーリーを買いたいのであれば、アイヴァンホーの所有する資産がダントツで価値が大きいし、これひと銘柄で全てが事足りるのです。
しかも子会社のサウス・ゴビには中国政府の投資部門であるCICから大型の出資があったばかりです。サウス・ゴビのオブート・トルゴイ炭田は極めて良質な炭田であり、採掘コストも安いです。また中国への距離も近いです。

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